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[Logic Pro] 内蔵機能だけ!とりあえず使うべき便利機能5選
Macユーザーの定番DAWである『Logic Pro』。
豊富な内蔵プラグインと優れたコストパフォーマンスを誇り、初心者からプロまで幅広い層に支持されています。
かの、YOASOBI -「夜に駆ける」が『Logic Pro』の内臓プラグインのみで作られていたというのも、有名なエピソードです。
とはいえ、DTM初心者にとっては、機能が豊富な『Logic Pro』を使いこなすのは難しく感じることもあるでしょう。
「何から手をつければいいかわからない…」「プラグインが多すぎて、どれを使えばいいのか迷う…」
そんな悩みを抱えている方も多いのではないでしょうか?
そこで今回はSONICWIREスタッフがおすすめする『Logic Pro』の便利機能5選をご紹介します。
全てLogic Proに標準搭載されている機能なので、追加費用は一切不要です。
DTMを始めたばかりの初心者の方から、楽曲制作の幅を広げたい中級者の方まで、役立つ情報が満載です。
ぜひ最後までお楽しみください。
Drummer
『Drummer』は、AIが自動でドラムフレーズを生成してくれる機能です。
難しい設定は不要で、「ジャンル」「ドラマー」「キット」等を選ぶだけで、高品質なドラムトラックを簡単に作成できます。
ドラムパターンを組む時間を短縮することで、楽曲の構成やコード進行等、全体像を素早く考えることができることが最大の魅力です。作ってみたい楽曲のリズムパターンを参考に、プリセットから近いものを探し出して、ドラムトラックの土台としてとりあえず配置してみることをおすすめします。
また「ゴーストノート」を追加したり、「フィーリング」で前ノリ/ 後ノリを調整したりと、後からドラムパターンを細かく調整できます。
筆者はサブのハイハットやパーカッションとして『Drummer』を愛用しています。
『Drummer』の操作に慣れ、「より自分のイメージに沿ったドラムトラックを作りたい!」という方に対しては、
『EZ DRUMMER 3』もおすすめです。
Tremolo
『Tremolo』は、LFO(サイン波、ノコギリ波、矩形波など)を用いて原音のボリュームを周期的に増減させることで、サウンドに独特のリズム感とグルーヴを生み出すエフェクトです。
本エフェクトを用いて、ギターやパッドなどウワモノの音の定位(音の左右の位置)を動かすことで、ステレオ感を強調し、楽曲全体に広がりを与えることができます。
Galdive – 「Stay」では、ハイハットやコーラスに『Tremolo』が使用され、楽曲の立体感を演出しています。
上記楽曲のように、「ハイハットを細かく左右に動かすこと」が筆者オススメの活用方法です。
左右に音を逃がすことで、センターのキックやスネア、ベースと音が重なることなく、音を主張することができるため、ミックスを綺麗に仕上げることができます。マリンバなどの跳ねるような音にも非常に効果的です。
『Tremolo』とは異なりますが、Queen – 「Bohemian Rhapsody」は、音の定位をうまく活用したわかりやすい例です。
ボーカルを左右から聴かせることや、ストリングスやパッドをゆっくりと左右に動かすことで、楽曲全体の奥行きをダイナミックに表現することができます。
Stereo Delay
『Stereo Delay』は、左右のチャンネルに異なるディレイタイムを設定することで、音に広がりと奥行きを与えるエフェクトです。
前述した『Tremolo』と似た使い方になりますが、原音はセンターに定位させつつ、ディレイ音を左右に振り分けることで、立体的なサウンドを作り出すことができます。
「原音をクリアに聴かせたいけれど、楽曲全体に馴染ませたい」というワガママな方にピッタリです。
リバーブとは似て非なる、幻想的な空間表現が可能です。制作に行き詰った際には、騙されたと思って活用してみてください。
※ 筆者おすすめの『Stereo Delay』の設定 :「デフォルトプリセット」/「OUTPUT MIX」をL・Rそれぞれ10%
CompressorによるSide Chain
『Sidechain』は『Compressor』の応用テクニックの一つです。
特定のトラックの音量変化をトリガーに、別のトラックの音量を自動的に調整することができます。
キックとベースのように、同じ帯域を鳴らす楽器同士の干渉を防ぎつつ、それぞれの音を目立たせることができるわがままな機能です。
EDMでは『Sidechain』が効果的に使用されている例をよく耳にします。
ドラムに合わせて、他の楽器の音量が一瞬小さくなっています。その結果、パツパツの音圧を維持したままドラムが前面に出てくるため、EDM特有のイケイケ感を演出することができます。
実は、人気ジャンルのLofi Hip-hopでも『Sidechain』は必須テクニックです。
いわゆる「Lofiぽさ」はこの技術によるものです。
『Sidechain』は、「絞る音の音量」「音の絞り方の滑らかさ」などを自由に設定することができます。
上記2曲はどちらも、音量を一瞬で極端に絞った例であり、ポップスなどでは、うっすらと『Sidechain』を適用することがおすすめです。
例えばボーカルのディレイのみに『Sidechain』を適用し、メインボーカルは前に、ディレイは後ろに配置することも可能です。『Sidechain』を使いこなすことで、各トラックの音量を上げることなく楽曲全体の音圧を上げ、各楽器の存在感を際立たせることができます。
ここで「難しい設定は面倒!」という方に朗報です。
有料ではありますが、『VOLUMESHAPER 7』といったプラグインを購入いただければ、簡単に『Sidechain』を使うこともできます。
Flex Pitch
『Flex Pitch』は、ボーカルや楽器のピッチを自由自在に修正できる機能です。
音程のズレを修正するだけでなく、ピッチベンドやビブラートを加えるなど、クリエイティブな表現にも活用できます。また、ギターのブリッジミュートなど、様々な楽器の演奏データを微調整することも可能です。
当然ボーカルミックスの際に大活躍の機能ですが、筆者おすすめの活用方法は、音程・タイミングを補正し、オリジナルのサンプルを作成することです。
フレーズを細かく切って貼るチョップとは異なった、お持ちのサンプルを自由自在に編集できる魅力的な手法です。
「このサンプルのフレーズ、惜しいんだよなぁ」という悩みが消えること間違いなしです。
とはいえ『Flex Pitch』にも、編集の自由度に限界はあります。
本機能を深く使っていくにつれて、より細かい調整がしてみたいと思った方には、将来的に『AUTO-TUNE PRO 11』といったプラグインを活用いただくことをおすすめします。
最後に
本記事では、『Logic Pro』に内蔵されている便利な機能5選をご紹介しました。
楽曲制作に正解はありませんが、制作に行き詰った際はこれらの機能を使ってみてください。
大切なことは、「何ができるか」を頭の片隅で把握しておくことと、実際に手を動かすこと。
本記事で紹介した機能を元に、日頃から「この曲にはどんなテクニックが使われているのか?」、「自分ならどんな風にアレンジするのか?」といったことを考えながら、制作をしてみましょう。
『Logic Pro』には、今回紹介しきれなかった機能・プラグインがまだまだたくさん搭載されています。
制作に行き詰った際は、実際に試してみるとインスピレーションがわいてくるかもしれません。
より自分のやりたいことや欲しい機能がはっきりした方は、SONICWIREで有料のプラグイン・音源もチェックしてみてください。
あなたの音楽制作ライフがより豊かになるよう応援しています。
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