シネマティック音源の雄、HEAVYOCITYの定番タイトルをピックアップ!
高品質かつ最先端のポテンシャルを秘めたライブラリを次々とリリースするシネマティック音源の雄、HEAVYOCITY。シネマティック音源と呼ばれる製品が出始めた頃よりシンセサイズ/サウンドデザインされたサウンドを収録する製品を投入し、現在のシネマティック音源の一ジャンルを形作ったといっても過言ではありません。
本記事では、まだHEAVYOCITY 製品に触れたことが無い皆さんに向けて、人気タイトルをご紹介いたします。
HEAVYOCITY 社とは
HEAVYOCITY は、現代の作曲家やサウンドデザイナーのために、ワールドクラスのソフトウェア音源を作ることを使命とする、プロの作曲家とサウンドデザイナーの集団です。Co-FounderであるDave FraserとNeil Goldbergは、バークリー卒業後それぞれミュージシャンとして活動。2003年、HEAVYOCITY のもう一人の中心人物Ari Winters と共にマルチメディア向けの作曲/サウンドデザイン会社Heavy Melody Musicを設立します。業界の厳しい納期に頭を悩ませる世界中のクリエイターに向けて、ワールドクラスのサウンドを提供するモダンなソフトウェア音源を作るというアイデアを基に2006年、Heavyocity Media, Inc.を設立。最初のソフトウェア音源、『EVOLVE』を開発/リリースしました。『EVOLVE』は、様々なアワードを受賞し日本国内でも数多くのクリエイターに受け入れられました。それ以来、クリエイティビティを刺激する最先端/即戦力のサウンドを提供し生産性を高めることを理念として数々の製品をリリースし、世界中の映画・TV・ゲームをはじめとする作品の数々に使用されています。
GRAVITY
SONICWIREでも最も人気なのが本製品『GRAVITY』。「インターステラー」などを手がけたチームによる、現代の映画やドラマ、ゲームのトレーラー用楽曲などに必須となっているFX的サウンドを中心に収録する定番シネマティック音源。アンビエントやパッド、ライザー、ヒットなど、2,200以上のサウンドソース/約1,200種類のインストゥルメントを収録。ヒットやライザーの良い素材がなかなか見つからないことから生み出された製品です。FX中心とはいえ、音階演奏可能なリバースやスウィープなども収録しているので、『GAVITY』のみで緊張感あふれる劇伴曲を仕上げることも可能です(デモソング参照)。
ライブラリには、サウンドごとに機能を特化した以下のインストゥルメントを用意。
- 3チャンネルのパッドをミックスする「Complex(Pads)」
- 好みの素材をレイヤーさせて独自のカスタム・ヒットサウンドを作成する「BreakOuts」
- 全ての鍵盤に別々のサンプルがマッピングされ鍵盤(サンプル)ごとにボリュームエンベロープ/EQ/フィルタを個別設定可能な「Menu」
- 1つのサンプルがクロマティックでマッピングされている「Elements」
KONTAKTのポテンシャルをフルに引き出したエディット機能やエフェクト類も豊富で、現在のHEAVYOCITY ラインナップの礎となったタイトルです。
また、『GRAVITY』のエンジンを使用して特定サウンドに特化した小型ライブラリのシリーズ『GRAVITY PACK』を展開。特にボーカル素材をベースに人間の声の美しさ、親密さ、深いパワーを引き出す『VOCALISE』『VOCALISE 2』『VOCALISE 3』も人気です。
DAMAGE 2
NATIVE INSTRUMENTS 社より前作『DAMAGE』が登場してから約10年の歳月を経て、満を持して登場したシネマティック・パーカッション音源。リリース以降、数年先に登場している『GRAVITY』を追い抜かんとする勢いは目を見張るものがあります。大ホールのステージで空気をビリつかせるダイナミックな大迫力パーカッション・アンサンブルから、汚しの効いたサウンドのリズムループなど、“攻め”の打楽器サウンドを作り出します。ワールドクラスのスコアリング・ステージ「Skywalker Sound」で録音された、各種打楽器からゴミ箱、ポール、etc…のサウンドを収録。更にHEAVYOCITY によるサウンドデザインが施された多数のヒットやループなど約1,600種類・40,000個以上、約60GB(非圧縮時)に及ぶ打楽器サウンドが詰まっています。
『DAMAGE 2』も各機能に特化したインストゥルメントを複数収録。中でも、仮想のステージ上に最大36個のサウンドを配置し、自分だけのアンサンブルを構築可能なEnsemble Designer インストゥルメントは強力!サウンドごとにUI上のポインタをドラッグしてステージ上の位置を調整、視覚的にアンサンブル内のパンや奥行を把握できます。アンサンブルをとらえる5種類のマイクポジション(CLOSE / ROOM / HALL / LFE / CRUSH)をミックスできるので、アンビ感も思い描くまま。ループ素材の優秀さもHEAVYOCITY 製品の魅力の一つですが、複数のループをマッピングし自在に足し引きしてマルチレイヤーのパーカッションループを作る、Loop Designer インストゥルメントもオススメ。
ASCEND: MODERN GRAND
精緻にサンプリングされたコンサートグランドピアノSteinway Model D の響きに、HEAVYOCITY のサウンドデザインを加えた創造的なシネマティック・ピアノ音源です。ベースとなるスタインウェイのサウンドは3つのマイクポジションで収録され、サステインペダル踏込時の共鳴、及びリリースサンプルの音量調整も備えた、一般的なピアノライブラリとしても十分なクオリティ。最大3つのチャンネルに個別のソースを読み込み可能な2D triangular mixer に、ピアノやピアノの弦を様々な道具(ブラシ / ハンマー / EBOW / 鎖 / 紐)で奏でたソースをレイヤーして、サウンドを構築していきます。
2D triangular mixer は、三角形のミキサー上でカーソルを操作してソースのブレンド具合を調整します。その真骨頂は、MIDI CC やオートメーションによるモジュレート。移ろいゆく音色のテクスチャ、パッドの生成も簡単です。その他、16ステップのアルペジエイター、ランダムなノート・ジェネレータとしても機能するMIDI ディレイ、12種類の中から4種類をチェインできるマスター・エフェクト、コンボリューションリバーブといった味付け機能も豊富。搭載した機能をフルに活用した100種類以上のSnapShot プリセットも用意されているので、不意に出会った一音に刺激されて珠玉のメロディが生まれることもあるかもしれません。一音一音が染み入るアンビエントなピアノ・サウンドにうっとりです。
PUNISH
HEAVYOCITY 製品は音源だけではありません。『PUNISH』は、数々のHEAVYOCITY 製品に搭載されている”PUNISH”エフェクトが、独立したエフェクト・プラグインとして仕上げられています。HEAVYOCITYのサウンドデザインにおいて、タッチアップに長年使用されてきたアナログのバスコンプレッサー、チューブサチュレーション、リミッターアンプを通るシグナルチェーンをモデルに開発されました。インサートとしてもマスタープラグインとしても活躍する、アナログフィーリング溢れるプラグインです。
それぞれアナログ機材をモデリングした、幅広いダイナミックレンジとアナログのぬくもりを持つCOMPRESSOR、それぞれ独自の暖かさ、ドライブ感、キャラクターを持つ3種類のSATURATION、サウンドをサチュレートした後により強いトランジェントを戻すTRANSIENT、プリ・ポストの選択が可能なEQ/LIMITER を搭載。『PUNISH』の画面中央に設置されたPUNISHノブに各エフェクトのパラメータをアサインすることで全てのパラメータを一括でモジュレート。ノブをひと捻りで、チューブ・プリアンプによるウォームなサウンドから、激しいドライブとコンプレッションでパンチの効いたサウンドに変身させることができます。ソースのカテゴリごとに分類されたプリセットも90種類以上用意され、導入したその日から活躍間違いなしです。サマーセールやブラックフライデーセールなどで、大幅なディスカウントが適用されがちなのもポイントです。劇伴界隈のみならず、多くのクリエイターにご愛用いただいています。
さいごに
HEAVYOCITY 製品には、今回ご紹介できなかったタイトルがまだまだあります。気にはなりつつもなかなか手が出せずにいるそんな皆様、HEAVYOCITY のクオリティを無料で体験/導入できる無償音源「FOUNDATIONS」シリーズを試してみませんか?
「FOUNDATIONS」シリーズは現在、ピアノ、スタッカート・ストリングス、ナイロンギター、シンセベース、クワイアをラインナップ。それぞれオーガニックなサウンドと専用に用意されたサウンドデザイン・レイヤーをミックスし、HEAVYOCITY のお家芸であるアナログソースとデジタルソースの融合を体験できます。無償製品と侮るなかれ、サウンドやSnapshot プリセットのクオリティは折り紙付き。シンプルにまとめられたアンプエンベロープやゲート/アルペジエイター、コンプレッションを調整するPUNCH エフェクトにDELAY/REVERBと基本的なサウンドシェービングを実践できます。HEAVYOCITY のモダンでハイブリッドなサウンドの入門書「FOUNDATIONS」シリーズにご満足いただけたら、有償製品の導入もご検討ください!
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