AUDIOTHING『DIALS』 改造放送機器をシミュレートした実験的チャンネルストリップ
もはや恒例、発想の泉 Hainbach 氏とのコラボ製品で、実験的なチャンネルストリップ『DIALS』をAUDIOTHING社がリリース。
アメリカのクラシックなパッシブ・バンドパス・フィルターと、ドイツの改造型放送送信機を統合し、古き良き日の実験音楽のサウンドをプラグインソフトとして蘇らせます。
プリアンプやコンプレッサーの高品質なかかり方は言わずもがなとして、独特なフィルター形状で信号をシェーピングするハイパス、ローパスが『DIALS』の魅力。
クラシックなインターフェースの左側が、音量に影響するコントロール項目で、放送用途の良質なコンプのようにクリーンで力強いアタック、ディケイを形成します(もちろんクリップガード対応)。
右側に仰々しい姿で備わるのはステップ方式で切り替わるハイパスおよびローパスフィルターと、ステップの合間をスムーズに埋めるマルチプライヤ、同様にスムーズにノブで調整可能なQ。
カットオフ周波数周辺に大きめなリップルを生む特質から、独特な温もりあるサウンドが作り出されます。
たとえば適切な値に設定してボーカルに使えば芯の通った瑞々しい歌声が得られ、極端な値に設定すればピーキーな…つまり入力された音響とはまったく異なったビンテージな「楽器」としても使用できます。
DSPによるサウンド処理の劣化を最小限に抑えるオーバーサンプリングや、フィルターとボリュームを揺らすLFO、自分好みの処理順に調整するルーティングなど現代的な機構も盛り込まれ、歴史名盤の再現にとどまらない個性的なチャンネルストリップに仕上がっています。
実験音楽の精神を継承して、自分ならではの使い道を模索するのも楽しいでしょう。
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