SONICWIRE

[NAMM2010] 社長レポート 4日目!

2010年1月18日 16:49 by ich

こんにちは、伊藤です。昨日までの快晴から打って変わって、今朝の天気は曇り。午後にはとうとう雨も降りはじめました。世界最大の楽器の祭典NAMMショーも今日が最終日です。祭りの最後を締めるにふさわしい様々なイベントが、今日も各社ブースで繰り広げられます。そんな熱気を現地からレポートいたします!


SONiVOX社

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まずは昨日の補足説明から。本日SONiVOX社と打ち合わせを持ち、幾つかの新製品情報をいただきました。

『Eighty Eight』(写真)
“88”、つまりはピアノに特化した音源です。昨年のNAMMレポートでもお伝えし現在も制作中のこのソフト音源には52種類の生ピアノ音源が収録される予定です。収録は、SONiVOX社の“SYMPHONIC”シリーズ(SISS、SISBなど)と同じスタジオを利用しているので、それらの音源との相性が良いとのこと。また価格も$200前後を予定しており、同機能の製品と比べても圧倒的にお求め易い価格です。もう直ぐ完成します。

『Hip Hop Strings』
ヒップホップのトラックメイクに適した弦アンサンブルフレーズを収録したソフト音源(SONiVOX社のPLAYAエンジン)です。全米230店舗の楽器店Guitar Centerには既に全店在庫が決定し、アメリカでは人気です。

『SYNPHONICシリーズ』
古くからのGIGAファンにはおなじみのシリーズが、Kontaktライブラリとしてリメイクされます。GIGA版/EXS24版の登録ユーザ様にはお得なクロスグレード価格も用意される見込みです。発売時期など確定しましたら、本ブログでお知らせいたします。

『Broadway Big Band』
同製品がKontakt Player版として正式にリリースされます。古き良きブロードウエイ映画のサントラに使われそうなビッグバンドを再現するために制作したソフト音源です。何となく古めかしい、でも暖かくてゴージャスで人情味あふれる”昭和”のサウンドが特徴です。


最終日の今日も、会場にはオモシロい楽器、そして人が溢れていました。

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携帯電話の中にでさえシンセサイザーが内蔵される時代にあっても、この様なパッチ式アナログシンセが新発売されてます。全体に配置された青色LEDがキレイです。こういうコックピットなデザインには憧れてしまいますね。

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楽器は見た目もインパクトが無きゃね!のもうひとつの例。この光りのページェントは演奏者をヤル気にさせそうです(Youtubeで見つけた紳士の演奏)。

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Fenderが熱いです!アメリカでは限定モデルの携帯電話を発売するようです。

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NAMM会場には、トッププレーヤーも多数訪れます。こちらの写真はWarwick社のブースで開催された、Pファンクの帝王ブーツィー・コリンズのサイン会の様子。後ろにはTMスティーブンスも。

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各社のブースでは、エンドース契約のアーティストが多数訪れ、ファンのためにサインをしたり握手をしたり、とても身近で接することができます。

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スペインのギターメーカーのブースでは、本場のフラメンコをライブ演奏。私個人としてフラメンコを見る機会が過去になかったので、初めて目にする情熱的な踊りと緊迫したリズム感にしばし心を奪われました。

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こういう奇抜なファッションで来場する人もいます。またこういう人は、みんなから声を掛けられたり、写真を撮られたりします。

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こっち見んな(笑)

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Stick奏者が弾いていたのは、Jeff Beckの名曲『哀しみの恋人達』。それにしてもStickを弾く人って、大抵つるんってしてますよね

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バイオリンベースの本家Hofner社ブースの前では、Paul McCartneyのコスプレをした社員を発見。

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一見するとこちらの男性、ドラムセットに向かってドラムを叩いているように見えます。しかし男性が座っているのは、実は「車イス」なんです。こちらの電動車イスにはドラムセットが組み込まれていて、不自由な足からもバスドラムをキックできるように工夫されてました。もちろん電動車イスとしても動作してました。

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チビっ子がデモ演奏を担当するブースも幾つかありました。小さいのに大人顔負けの演奏をする姿が来場者の目を引き寄せるんでしょうね。こちらの女の子も一生懸命にドラムを叩いていました。

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こういうファッションには人垣が絶えません。音がしないのに人垣ができている場所には大抵こういう人達がいます。

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華やかなイベントの影では、借り手がつかず”空き地”のままのスペースも目につきました。その量は、リーマンショック直後の昨年のNAMMよりも多い気がします。また今年は出展しなかった常連企業もちらほらありました(Native Instruments、Propeller Headsなど)。不況の影響という声もありますが、もしかするとインターネットを使った販促活動に企業が本格的にシフトし始めている兆候なのかもしれません。一方で、NAMM会場に入場するには十分な身元保証が必要など、テロ対策と思われるガードも厳しくなっていると聞きます。


4日に渡ってお届けしましたNAMMレポートは如何だったでしょうか?期間中は商談の時間が多くを占めましたので、あまり多くのことをレポートできなかったことが悔やまれます。少しでも会場の熱気と楽器の素晴らしさが伝われば幸いに存じます。

いまはfacebookやmyspace、ustreamなどのソーシャルサービスを使うことで、企業は世界中の顧客やファンに製品のPRが出来るようになってきました。世の中は今後、NAMMの様なリアルな場が少しづつ後退して、代わりにソーシャルメディアにPRの軸足が移ってゆく傾向にあるのは否めない気がします。けれども、音楽は人の手により創り出され、人種を越えて分かち合える”言語”の様なものと思います。そんな音楽を紡ぎ出す「楽器」をリアルに体験できる場として、NAMMショーが今後も「楽器業界のお祭り」であり続けて欲しいと切に願います。レポートにお付き合いいだたき誠にありがとうございました!

“See you in the NAMM2011.”
(午後5時、閉会を告げる場内アナウンスの最後で)

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おまけ:今日は雨でどんよりとした天気(Anaheim Convention Centerの屋上より撮影)。

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