SONICWIRE

アコギの息遣いまで聴こえてきそうなリアルなサウンドです。

《ギタリストが使うソフト音源/プラグイン・エフェクト #005》

Presented by SONICWIRE

独特なプレイスタイルがSNS上で注目を集める気鋭のギタリスト"yureno 氏"より、簡単操作でTaylor 714 CEを奏でるアコギ専用音源 AMPLE SOUND『AMPLE GUITAR T III』のレビューをいただきました。

『AMPLE GUITAR T III』は、Taylor 714 CE アコースティック・ギターを思うがままに演奏可能。ボディ鳴りや、適所で自動挿入されるフレットノイズやリリースノイズにより非常にリアルなサウンドを実現したアコースティックギター音源です。

アコギの息遣いまで聴こえてきそうなリアルなサウンドを鳴らしてくれます。

『AMPLE GUITAR T III』は、アコギの息遣いまで聴こえてきそうなリアルなサウンドを鳴らしてくれるので気に入っています。

ギター音源と言うとギターを演奏しないクリエイターがギターのサウンドを楽曲に取り入れるために使用するもの、というイメージが強いかもしれませんが、私は楽曲のデモ制作や、普段使用しているアコースティックギターとは異なるサウンドを楽曲に取り入れたい場面等で活用しています。

アコースティックギターを楽曲に取り入れる際にギター音源を使用することで、考えたフレーズが楽曲内でどのように聴こえるかを、レコーディングをせずにプレビューすることが可能になるので作業効率が上がります。

本物のギターに迫るリアルなサウンドです。

所有するアコースティックギターのサウンドより、『AMPLE GUITAR T III』のサウンドの方が楽曲に合うこともあり、打ち込んだサウンドをそのまま楽曲に使用してしまうこともあります。これらが一切のストレスなく行えるのは、『AMPLE GUITAR T III』のサウンドが非常にリアルだからだと思います。

アコースティックギターを細部まで忠実に再現していますね。

『AMPLE GUITAR T III』はサンプル一音一音のリアルさは勿論、タッチノイズや、低音弦を強く弾いた際に弦がフレットに触れ少量のバズサウンドを生む感じ等、アコースティックギターを細部まで忠実に再現していて、ギタリストならシミュレート具合に感動すると思います。

奏法に関しては指弾き/ピック弾き/ストラム/サスティーン/ミュート/ハンマリング・オン/プリング・オフといった基本的なものに加えて、ナチュラルハーモニクス/スライド/ブラッシングサウンド/ボディを叩く音まで収録されているので、実際に演奏したかのような表現が可能です。

▲ストロークやアルペジオを交えたコード演奏を再現する"Strummerパネル"

ライトな使い方、ヘヴィな使い方の両方に対応している印象があります。

オートレガートモードが搭載されているので、単音を続けて打ち込んだ際に自動でハンマリング・オン、プリング・オフを行ってくれる点も良いですね。"ササッと"鍵盤で弾いたり、マウスで打ち込んでも、打ち込み感のないサウンドがプレイバックされるので驚きます。勿論オフにして細かく奏法を指定することも可能なので、フレーズをメモするようなライトな使い方、奏法を細かく指定して楽曲に使用するヘヴィな使い方の両方に対応しています

『AMPLE GUITAR T III』を使いサンプルトラックを作ってみました。

▲「Settings」内「Global Envelope」設定。

※1:弦を爪弾くギター特有のアタック感をサンプルに盛り込むための仕様になります。「Start」パラメータを調整すると、ギター特有のアタック部分が削れてピアノのようなアタック感になってしまう恐れがあります。シビアなレスポンスを要求されるリアルタイム演奏ではない場合は、DAWトラックのディレイ補正で-35ms~-50msあたりで設定する事をおすすめします。

今回制作したデモトラックでは、前半部をSoloモード、後半部をStrumモードで制作。演奏内容に合わせてライブラリも前半は"Finger(指弾き)"、後半はコード演奏用の薄いピックを用いた"Strum"ライブラリを使い分けて打ち込んでいます。また、後半部のバッキングは『AMPLE GUITAR T III』に搭載されているダブラー(DOUBLE 機能)を使用しダブリングさせています。タッチノイズに関しては細かく指定をしていませんが、挿入されるノイズの位置やサウンドが非常にリアルであることが確認できます。

ダブラー(DOUBLE 機能)を使用して若干のレイテンシーを感じる場合は、「Settings」内の「Global Envelope」の「Start」を"50ms"に近づけると解消されます。(※1)とても良い音源だけどレイテンシーが気になる…という声も見かけるのですが、この方法を試すと解消するかもしれません。

また、奏法に関しては非常に細かくシミュレートされていますが、ピックの厚みの指定やサムピックの使用、弦をストロークする位置の指定等が出来るようになれば、より実際の演奏に近づくと思います。現在でもアップデートが行われている音源ですので、今後に期待しています!

最後に

ギターの奏法を熟知しているギタリストこそ、魅力を最大限に引き出すことができるソフト音源だと思います。普段使用しているアコースティックギターとは少し異なるサウンドを楽曲に取り入れたい場合などに、是非使ってみてください。

AMPLE GUITAR T III

アンプル・ギター T III

簡単操作でTaylor 714 CEを奏でる、アコースティックギター専用音源

¥28,831

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yureno

コンポーザー/ギタリスト

独特なプレイスタイルがSNS上で注目を集める気鋭のギタリスト。ギターを活かしたアレンジを得意とし、作編曲家・ギタリストとして数々の作品やアーティストに携わる。 インストゥルメンタルロックバンドの作編曲担当としても精力的に活動中。

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