とんでもなく使いやすいので、
起動するときに気持ちにストレスがない。
『BBC SYMPHONY ORCHESTRA PROFESSIONAL』を使ってみて
まず説明書をいただいていたものの、読まずに使うことにした。
まずこういうソフトで重要なのは、マニュアル無しでもすぐにとりかかれるかどうかがまず一つあると思っているからである。そしてそのまま使ったときの使用感として、どこに何があってどのパラメータがこれでというのが初めて起動したのに容易に想像がつくインターフェイスになっている。これは本当に重要である。
またとある一連の仕事でこれをメインでつかったみたのだが
とんでもなく使いやすいので、起動するときに気持ちにストレスがない。
まったくない。これがほんっっっとうに重要である。
自分は、Spitfire AudioのSymphonicシリーズを全て持っているのだが、あっちはあっちで読み込みのストレス、ライブラリから選ぶストレス、などすこし辛い気持ちはあった(とはいえ音はとてつもなく良いので使っているが)。
弦をメインに書いていくが、僕が弦の打ち込みですぐ使用感がわかるテストにドヴォルザークの弦オケ 1,4 楽章を使う。(ホ長調 Op.22)
「やばい、すごい打ち込みやすい」
まずこの感想だ。
そしてセクションの音だが、アーティキュレーションを重視して打ち込んだものの、音はちょっと理想のものではなかった。実は、BBC SOにはかなりこまかく設定できるミキサーセクションが存在する。初期状態だと、「MIX 1」というものになっていた。これはJake Jacksonのミックスプリセットらしい。
今回、弦オケという耳できいていたので、もっとふんわりしたイメージだったが、プリセットは、「低域がかなりピックアップされ、多少かっちりしたイメージ」だった。これを変えるのは、ミキサーフェーダーの変更である。
ここで初めてマニュアル開いた
自分は「Tree」「OUT」「Balcony」「Sp.str」というフェーダーだけで音像をつくる。
OUTはどうやら幅をつかさどるらしく、これの混ぜ加減ですごく自然なホールの響きが完成していくように感じた。ホールの響きを微調整してだせるというのは、実際なかなかソフトで出来ない。例えば、感覚として近い、遠い、無指向みたいな3種類くらいのマイクしかなく、それっぽくはなるがなかなか微調整が難しい。
ただ、シンセとまぜたりリズムとまぜたりしながらオケを打ち込むとき、帯域にすごく気持ちよく収まる音であり、実際仕事で使ってみたところまぜやすかったのである。
操作感と音の印象を箇条書きにて書く。
キースイッチがどの楽器も共通の音域で同じようなアーティキュレーションが最初からアサインされている!!!!(超重要)
- その分、相当低いC-1からスタートするのでキースイッチ専用鍵盤があるととても楽
- 立ち上がりがよく、レガートにしても全く埋もれない。
- モジュレーション50超えてからのFFへの向かい方の抑揚幅の変化が激しい(わかりやすく変化させやすい)
- 全体でまぜたときのチェロの響きが綺麗
- コントラバスの低音がやわらかい。でも遅くない
- アーティキュレーションの入力が簡単
Symphonicシリーズでは、楽器ごとで同じ設定でもダイナミクスの音量差が結構あったのだが、これにはそれがない
すこしおまけ程度になるが、木管と金管についても感動ポイントをいくつか。
■金管
まずホルンがとても強弱の使い勝手がよい!!!FFで強烈なホルンを鳴らせるのは重宝だし、PPが気持ちよい。
トロンボーンに関しては扱いが少し難しい。というのは、アデュエがない。アトレからなので、2管のモックアップのときに、響きが少し困ると思うが目をつむってアトレで使うしかない。 ※スタッフ注釈 テナートロンボーンはソロまたは3名演奏を収録。
また、チューバが音の立ち上がりが早く、金管合奏などでは速いパッセージも多いので、これは重宝するのは間違いない(自分は今回重めのオケでつかったので単体のスピードはそこまで求めなかったが)。
■木管
セクションでならしたときに、他と同じでやはり不整合なくちゃんと響いてくれる。
そして同じく使いやすい!!!音量差がはげしくない上に、モジュレーションの音量変化がどの楽器も同じような操作感だからだ。
ただし、特に木管はちょっと高域が気になった。
EQはできれば使いたくないので、フェーダーでうまく使うマイクを選択するのであろう。ただ、これに関しては研究はしきれなかった(難しい)。なので致し方なく、マルチバンドコンプとEQをうっすらかけて高域がなるべく出すぎないようにコントロールした。
総評
SPITFIREには既出で素晴らしかったSymphonicシリーズというのがあり、これは音色の部分ではとにかく最強である。
ただどのソフトでもそうなのだが、プログラムのせいでピッチがずれていったり、キースイッチが使いにくかったり音量差があったりとするのだが、『BBC SYMPHONY ORCHESTRA PROFESSIONAL』では1か月使ってみて、ほぼ?全くその兆候がなかった。
これはインストゥルメントトラックを起動するときにストレスがないということに直結する。言い方をかえるとソフトを起動するモチベーションが上がるという言葉につきる。そのストレスから解放されるために日々DAWでオーケストラのプリセットなどを作るのだがプリセットなしでもストレスがない。
本当にキースイッチや音量コントロール含めてイメージしたまま、鳴らしたらその音がでてくれるのである。
すばらしい。
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作詞 / 作曲 / 編曲 / bass
2007年に作家活動をはじめる。歌モノの楽曲提供を中心としさまざまなアーティスト、アイドル、アニソン、そしてアニメの劇伴、ライブBGM、ゲームBGMなども手掛ける
ピアノ、ストリングスを活かしたアニソン、アイドルソング、またそれとは対照的に心に染み入るバラードが定評を持つ。
楽曲提供:AKB48、櫻坂46、
カードキャプターさくらED主題歌
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