昨年の夏、HEAVYOCITYより新作リリースのアナウンスがあり、何がリリースされるのか気になっていたら、この『DAMAGE2』でした。バージョン1の方は散々お世話になっていたので、即買いでしたね。これが想像以上に進化しています。

まず音質面を見てみると、バージョン1に比べてとてもオーガニックで太い音に進化しています。打楽器、太鼓の鳴りの深さが非常に良く再現されているという印象があります。トップに加えてボトムやエアーのマイクが加わった感じがしますね。バージョン1の時はサウンドは硬めで"ダン！"というアタック感はあったのですが、今回『DAMAGE2』になって、"ダン！"に加えて"ドン！"という太さ、迫力が加えられ非常にリアリティが増しました。エピック系だけでなくオケにも使えそうな気がします。音の傾向として、よりリッチで迫力があり、いい意味で汎用性が増しました。バージョン1は如何にもソフト音源で音を出している感じがしたのですが、『DAMAGE2』は、より本物の生楽器感が味わえます。もちろんバージョン1のような攻撃的な音も網羅していますし、さらにマッシブになった印象で、1音鳴らすだけでも絵が浮かんでくるような、完成された音が飛び出してきます。テンション上がりますね。

DAMAGE2 demo track1

エピック、トレーラー感を彷彿させたデモになっており、Ensemble Designerを中心にLoop Designer／Kit Designerも使用しています。全体の音が入ってくる直前の特徴的なフィルにはKit DesignerのStutter効果に、PUNISHのNIGHTMAREを深めにかけています。また、Ensemble DesignerでMONSTER LOW BASS BLASTを左右に振っています。

DAMAGE2 demo track2

ゲーム内BGMをイメージし作成しました。こちらはKit Designerのみを使用しています。SF／インダストリアル感を出すためにHybridの中から音色を選んでいます。

操作面ですが、全く新しいGUIに進化しており、非常に分かりやすくなっています。まず「Ensemble Designer」についてですが、「STAGE」というページでは視覚的に各音色の奥行き／距離感／広がりを自由に調整できるようになっています。この便利さには1番驚きました。超簡単です。マウスでスッと動かすだけですから。劇伴やエピック系の楽曲では、各楽器の奥行きや距離感がかなり重要なポイントになってくるため、このようにわかりやすくサッとできてしまうのはとてもありがたいです。それに全体まとめて前後奥行きを調整できるのもとても便利ですね。

▲好きなパーカッションを最大36個の鍵盤に割り当て、自由なアンサンブルを構築するEnsemble Designer。

個人的に素晴らしいなと思うところは、簡単にダブルを作れてしまうことです。同じ楽器がステージ上にも鍵盤上にも並んで配置されている点はさすがですね。ダブルと一言で言っていますが、狭め、広めに加えてさらに奥行きまで視覚的にわかりやすく自由に調整できてしまいます。

▲Ensemble DesignerのSTAGEページでは、画面上をドラッグすることで簡単にパーカッション1つ1つのポジションを調整（左右 / 奥行き）。

▲発音やコントロールに関する細かな設定を鍵盤ごとに設定できる自由度の高いPERFORMANCE画面。

そしてもう一つ非常に便利な機能があります。「SETTING」ページの「PERFORMANCE」です。ONにすると現在選択している音色が CRESCENDO／SWELL／FLAM／ROLL／REPEAT といったアーティキュレーションの中から演奏してくれます。パッチ全体にかかってしまうのではなく、選択中の音色だけにかかってくれるという点もかなりポイントが高いです。よく使用する CRESCENDO や SWELL をオートで良い感じに設定してくれるので重宝しています。

▲収録サウンドを簡単にプレビュー／鍵盤一つ一つへアサインし自分だけのアンサンブルを構築するSOURCE 画面。

SOURCEページでは、自分自身のお気に入りの音色を『DAMAGE2』の全サンプル群から選択し、パッチとして保存することができます。左の「CATEGORY」からパッチを選び、真ん中の音色を右の鍵盤にドラッグ&ドロップだけでできてしまいます。直感的な操作で保存することができ、非常に簡単ですよね。

「Kit Designer」でも視覚的にかつ直感的に操作できるようになり、大変わかりやすくなりました。"どこをどうすればこうなる"というのが一目瞭然で、各音色にEQ／コンプ／歪み／トランジェント／マイクポジション／奥行き等をすぐに調整することができます。