青木繁男 氏に訊く、OUTPUTの魅力
サウンドプロデューサー アーティストのプロデュース、楽曲提供、アレンジ、ミックス、ライブマニピュレーターなど、プロフェッショナルとして数多くの顔を持つ青木繁男 氏に、OUTPUT製品の魅力について伺いました。(2019年5月)
OUTPUT製品で気に入っているところを教えていただけますか。
青木繁男 氏:OUTPUTの音源はクリエイターに対して「アイディア」を提供してくれるプリセットを大量に収録している点ですね。楽曲制作で煮詰まった時や新しいアプローチを検討するときは、とりあえずOUTPUTの音源を使っています。リバース音に焦点を絞った『REV』で始まったOUTPUTも、シンセ音源『SIGNAL』、声ネタの『EXHALE』、木管や金管の『ANALOG BRASS & WINDS』など製品ごとサウンドが明確に別れているので、まずは目指す方向に近い楽器を選びます。そして、その中から新しい音色をサルベージしていくのですが、その感じが楽曲制作をすごく楽しいものへ引き上げてくれるのですよね。
OUTPUT社の製品ラインナップ
そして、『SIGNAL』以降の音源で導入された、“感覚”という音楽制作の原点を彷彿させる【マクロ・スライダー】。頭を使って音色を変更するのでは無く、自分が聴いて気持ちいいサウンドに仕上げるシンプルなパラメーターはあるようで無かったアイディアだと思っています。
EXHALEの操作画面。上側にある4つのスライダーがマクロ・スライダー
『REV』や『SIGNAL』が特にお気に入りとのことで、お気に入りの点やよく使用される場面を教えてください。
『REV』は”雰囲気”作りで多用します。イントロなどに対し「これから始まる」という期待感や、落ちサビ前の場面転換などで使用する事で楽曲の雰囲気を演出する事ができます。リバース系で厄介なのはキーでしたが、きちんと音階が自分でプレイできるので、今まではSEというイメージだったリバースが楽器として使用できる点が素晴らしいです。またギターなどの音を単純にリバースするとピッキングノイズ処理が厄介だったのですが、『REV』に関しては予め処理されたサンプルが搭載されているので、何も心配する事無く使用できるのが嬉しいです。
REVの操作画面
『SIGNAL』は前提として類似音源が無い!という点です。『SIGNAL』の音は『SIGNAL』でしか鳴らないので。僕の中ではリードで使うより、楽曲のベース(土台)となる音に『SIGNAL』を使う事が多いです。特にインパクトの強いサイドチェインの掛かったパッドなど、『SIGNAL』だけのサウンドを使います。
SIGNALの操作画面
OUTPUTの音源はどういったクリエイターさんにオススメしたいですか?
今後OUTPUTに期待することがあれば教えてください。
まず“今のOUTPUT”の考え方を変えず、新しいプロダクツをリリースしてくれることを願います。
そして次に期待したいのはプラグイン・エフェクト(FX)です。OUTPUTの製品ラインナップには『MOVEMENT』というFXが存在しますが、登場したときは大きな衝撃を受けました。これは想像し得ないほどの変化をサウンドにもたらし、飛び道具的な要素を簡単に与えます。こういったOUTPUTブランドのFXをもっと沢山体感してみたいですね。
クリエイターの潜在能力を引き出してくれるOUTPUTに今後も期待します!
MOVEMENTの操作画面
ありがとうございました!
Sonar Pocket、寺島拓篤を初めとするアーティストへの楽曲提供・アレンジを行うプロデューサー。
マニピュレーターとして、楽曲を提供した全てのアーティストを始め、MY FIRST STORY / マオ from SID / 夢みるアドレセンス / JAE JOONGを始めとする様々なジャンルのライブをサポート。
近年ではマジカルミライ / あんさんぶるスターズなどにも参加しあらゆる用途のライブスタイルに対応出来るノウハウを蓄積している。
使用するソフトウェアNuendo / Cubaseの開発にも携わり最先端の技術を最高レベルで安定させるシステムを使用。年間100を超えるステージで稼働させている。
また、ライブで必要とされるBGM、サウンドエフェクトの制作も行うためライブに同行する『マニピュレーターだからこそ作れるサウンド』に定評を得ており、ライブ音源制作でも様々なアーティストをサポートしている。
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