楽曲制作を続けるための「時間割」思考
「曲作りを頑張りたいが、DAWを立ち上げる気力が湧かない……」

クリエイターなら誰もがぶつかる「モチベーションの壁」。今回は、この壁を気合や根性ではなく、システムで乗り越えるための、いわば「脳筋的」とも言えるほどシンプルで「実践的」な思考法をご紹介します。
結論から言います。必要なのは、モチベーションではなく「時間割」です。
天才たちは「待って」いなかった
歴史に名を残す偉大な音楽家や哲学者たち。「彼らは常にインスピレーションに溢れ、情熱のままに偉業を成し遂げた」……そう思っていませんか?
実は、彼らの多くが「ルーティン」を大切にしていました。感情に左右されず、規則正しい生活を送ることで、やるべきことを「生活の一部」に落とし込んでいたのです。
天才たちのルーティン
ルートヴィッヒ・ヴァン・ベートーヴェン(作曲家)
コーヒー豆をきっちり60粒数え、コーヒーを淹れることから一日をスタート。その後は14時頃まで作曲に集中し、休憩時間の散歩中にアイデアを整理していたと言われています。
村上春樹(作家)
長編小説を執筆している間は、毎朝4時頃に起床し、調子が良くても悪くても、原稿用紙10枚分を書き上げるのが鉄則。10枚以上は書かず、書き終えたあとは必ず1時間程度の運動をし、午後は自由に過ごすそうです。
イマヌエル・カント(哲学者)
自身の健康・パフォーマンス維持のため、起床や就寝、仕事や食事に至るまで、時間が厳格に決まっていたとされています。あまりの正確さに、街の人々は散歩する彼の姿を見て家の時計の針を合わせた、という逸話が残っているほどです。
彼らに共通するのは、「やる気があるからやる」のではなく、「決められた時間にあらかじめ決めたことをやる」という姿勢です。
小学校の時間割理論
遊びたい盛りの小学生が、毎日決まった時間に机に向かえるのはなぜでしょうか?それは、「さあ、今から算数をやるぞ!」と決意しているからではありません。「チャイムが鳴ったから」です。
「時間割」という強力なフレームワークの中に身を置くことで、脳は「考える前」に行動を開始します。我々DTMユーザーに必要なのは、この「大人の時間割」かもしれません。
実践編:SWスタッフの1週間の時間割
では、現代のクリエイターはどうすればいいのか?参考までに、平日フルタイムで働くSONICWIREスタッフ(20代男性)が実践している、制作を続けていくための「1週間の時間割」をご紹介します。
平日:インプットと運動
- 毎朝:楽器練習
たとえ何があっても、ベッドを出た瞬間にギターを弾きます。 - 水・金:最新ヒットチャートや新譜のチェック
DAWは立ち上げず、たとえ曲が作りたくなってもインプットに徹します。 - 月・木・日:ジムでの筋トレ、ランニング
「制作に耐えうるメンタルと体」を作ります。運動中にアイデアが湧くこともあります。
ポイントは、平日はあえて「作らない」と決めたことです。
忙しい平日の中、「毎日DAWを開かなければ」というプレッシャーは、創作意欲を削いでしまいます。週末のアウトプットを最大化するために、平日は「楽器練習」「インプット」「体づくり」に集中しています。
※こちらの記事では「毎日DTMを継続するコツ」をご紹介しましたが、制作スタイルは十人十色。私は試行錯誤の末、この「週末集中型」に落ち着きました。
週末:アウトプット
- 9:00 – 12:00:制作
メロディーの作成や楽器の打ち込みなど、創造的な作業を行います。 - 12:00 – 14:00:休憩
昼食や掃除、昼寝など、本気で休みます。 - 14:00 – 17:00:制作
音声のノイズ処理やMIDIのタイミング調整等、「エンジニアリング」的な作業を行います。
平日に溜め込んだアイデアと体力など、すべてを週末に注ぎ込みます。
大切なのは、「時間通りにやること」と「時間帯によって作業内容を分けること」です。
創作を続けるコツは、村上春樹さんのように「時間が過ぎたらきっぱり終わること」。これを徹底することで、やる気を維持することができます。
このスケジュールの最大のメリットは、「夕方にはその日の目標を達成している」ことです。17時以降は自由時間。映画を見ても、ゲームをしても、「今日は曲を作らなかった……」という罪悪感に襲われることなく、安らかな夜を過ごせます。
まとめ
「良い曲を作らなきゃ」と気負うと、DAWを立ち上げるのが怖くなります。そこで次の休日、まずは気軽に自分だけの時間割を妄想してみませんか?無理せず、自分のペースで楽曲制作を続けていきましょう。
「もっと色々な情報を知りたい!」という方は、DTMに関するさまざまな記事を公開しているので、ぜひご覧ください!
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