【製品ピックアップ】懐かしの90年代J-POPサウンドを再現してみよう!“d16 group”製品のご紹介
往年の1990年代、CDの売上が非常に盛んだった頃、現代まで長く語り継がれる数々の名曲が生み出されました。今聴いてみると「懐かしい」「少し古臭い?」とも言えるような、音数が少なくどこか魅力的・哀愁漂うメロディーが特徴の楽曲は、あの頃の楽曲のトレードマークといっても過言ではありません。
そしてもう1つ、あの頃の楽曲を聴いてみると、現代の音楽では耳にすることが少なくなった「音の温かみ」があると思いませんか?現代ではなかなか聴けなくなってしまったあの温かみのある音は、「アナログ」の音源やエフェクトを使っていた時代ならではのサウンドに他なりません。音楽制作の全てが1台のパソコンで完結するようになった「デジタル」が主流の現代では、なかなか完全再現は難しいと言えます。
d16 group製品は、そんな「アナログ」のサウンドを忠実にシミュレートし、実在する様々なハードウェアを現代の技術でリメイクするデベロッパー。個性豊かなソフト音源&プラグイン・エフェクトが売りとなっています。
今回はそんな同社製品の内、懐かしのサウンドの再現に1歩近づく強力な4製品をご紹介します!
SH-101をモチーフにしたシンセサイザー『LUSH-101』
1980年代~90年代にかけて日本の楽曲にも普及し始めたシンセサイザー無しでは、あの頃の音楽は語れないでしょう。従来のアコースティック楽器・エレキギターに織り交ざるシンセサウンドは、多くのリスナーを虜にしました。
1982年に登場し、ショルキーとしても売り出されていたRolandの「SH-101」。このシンセを再現するソフト音源である『LUSH-101』は、当時の太いシンセ音源を8つの独立したレイヤーで扱えるポリフォニック・シンセサイザー音源です。
GUIからも窺えるように設定できる項目が非常に多く、音作りの柔軟性もポイントです。当時風のアナクロニズムな音をしっかり押さえつつ、今でも使われるようなモダン寄りな音まで広くカバーしているのが良いですね。
「SH-101」実機は1VCOであるにも関わらず、サブオシレーターによって「太いサウンド」を生み出しています。『LUSH-101』にももちろんこのサブオシレーターは搭載されており、実機で使用されている矩形波に限らず様々な波形(5種類から選択)を重ねることができるなど、機能の充実も図られています。
909サウンドを完全再現。バーチャルドラムマシンの決定版『DRUMAZON』
かつて多くのJ-POPでは、音質としては硬めでパンチのあるドラムサウンドが多用されていました。このサウンドの由来はRoland社のドラムマシン「TR-909」であり、同時代のヒット曲を何曲か聴いてみると、主に4つ打ちで演奏されるこの909サウンドがすぐに耳に入るはずです。
さらに強化された909ベースのドラムサウンドは現代でも引き継がれており、ハウスやテクノ、EDMなどの分野で活用されています。
『DRUMAZON』はこのTR-909からインスピレーションを得て作られたソフト音源です。数々のデベロッパーが909クローンとも呼ばれるハード/ソフトを開発する中、この『DRUMAZON』は高い評価を受けています。GUIは実機を彷彿とさせるほど再現度が高く(レトロ感漂うボタンもしっかり実装)、なおかつ内蔵シーケンサーやランダマイザーの充実など、機能に大幅な拡張が加えられました。ヴィンテージ機材好きをも唸らせるハードウェアへのリスペクトと現代技術のマリアージュを感じますね。
実機感覚での使用だけでなくもちろんDAWとの同期も可能ですので、実機に触れたことのある方だけでなく、DTMを通じてこれからドラムマシンを勉強してみたいという方や、本来のドラムマシンの使い方の1つでもあるライブパフォーマンスを行いたい方など様々な目的でご使用いただけます。
編曲の中で使う場合には、シンセブラスやSuper Sawなどの厚めのサウンド、Rolandのシンセサイザー「JD-800」の中でも特に知名度の高い、アタック感が強く明るい音色の「53番ピアノ」など、特徴の強い音色との相性が抜群です。
高い再現度を誇る真空管ディストーション『REDOPTOR 2』
さてここからはプラグイン・エフェクトのご紹介です。
豊かな倍音を用い、温かく安定した歪みを得られる「真空管ディストーション」。『REDOPTOR 2』は、音楽クリエイターやギタリストに愛され続けるこの真空管によるサウンドを細かく再現しています。
これまで見てきたd16 group製品同様カスタマイズ性に富んでおり、倍音の量やローパス/ハイパスフィルター、インプット/アウトプットそれぞれへのコンプ&リミッターなど、ユーザーの好みに合わせて自由自在に調整が可能です。
プリセットも豊富に搭載されているため、ギターのみならずボーカル、シンセ、ドラムなど様々な楽器への活用が期待できます。さらにはマスタートラックに薄くかけることで、真空管特有の豊かな倍音が付加され、楽曲全体にアナログサウンドのような温かみのある音響効果をかけることができます。
アナログディレイの質感を忠実に実現したコーラスエフェクト『SYNTORUS 2』
音に揺らぎを与えることで音像を広げるかのような効果が得られるコーラスエフェクトですが、この『SYNTORUS 2』はSolina String Ensemble、Elka Synthex、Roland JUNO-106などの古き良きハードウェアシンセに内蔵されているコーラスエフェクトから着想を得て作られたプラグイン・エフェクトです。シンセに1VCOしか搭載されておらず音が物足りない場合など、コーラスサウンドを追加することで一気に広がりと迫力を向上させられます。
コーラスエフェクトは、通常「ドライシグナル」とLFOでモジュレートされた「ディレイシグナル」をミックスすることで得られますが、本製品では3つのディレイラインをレイヤーすることで、厚く深みのあるユニークな音が得られることが特徴です。
さらに「Analog BBD Emulation」モードを有効にすると、BBD素子特有の温かみのあるコーラスエフェクトを加えることができます。
d16 group製品はこの他にもTR-808のビートを再現する『NEPHETON』やTB-303のベースをモデリングした『PHOSCYON』など、ハードウェアベースの製品をメインに様々なラインナップを展開しています。
現代ではなかなか見られないような特徴の製品群と、何よりもハードウェアを模したGUIはマニア必見です。今後の新作情報も楽しみですね!