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[メディア掲載情報] Vienna ImperialがPerformance Award受賞! @ COMPUTER MUSIC誌09autumn

2009年11月10日 18:00 by ich

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英国COMPUTER MUSIC誌2009年秋号のレビューにて、VSL『VIENNA IMPERIAL』が10点満点中9点+Performance Awardを受賞しました!また、Sample Magic『SM13 SUNRISE SESSIONS』とNine Volt Audio『BIG BAD BASS GUITAR』が10点満点を獲得。Big Fish Audio『VITAGE R&B』も7点を獲得しています。Vienna Imperialの長文レビューほか、各製品レビューの日本語訳は「続きを読む」にてご覧ください!

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『VIENNA IMPERIAL』 9/10 + Performance Award
サンプルベースのグランドピアノについて、正確さと演奏性を再定義することを目標としたオーストリア製ROMplerウィザード

VSL社のBosendorfer Imperialバーチャルピアノはここ数年ポピュラーな選択肢であり続けた。しかし、彼らの最新作Vienna Imperialは、競合製品を寄せ付けないほどにその地位を高めようとしている。再びBosendorfer 290ピアノ(9フィート6インチのサイズで、追加の低音鍵盤を備えている)を基に、コンピュータ制御のCEUS搭載モデルをサンプリングした – CEUSについて詳しくは欄外を参照。独自開発の新ピアノエンジンにより、500GBもの24bit/44.1kHzサンプルデータを50GBにまで圧縮。そこに至るストーリーとは?

Number Crunching
VSLの新エンジンは可逆データ圧縮を採用し、演奏時にリアルタイムで解凍を行う。他のVSL社ソフト音源とは異なり、「スタンダード」エディションと「エクステンデッド」エディションには分かれていないので、パッケージに収録されているアーティキュレーション(奏法)は全て使用可能である。ペダルノイズや弦の共鳴、複数種類のリリースサンプルは3種類のマイク位置で録音されている。

この途方もないサンプル群はひとつの鍵盤につき最大100ベロシティレイヤーを実現している。様々な奏法も考慮に入れると、ひとつの鍵盤あたり大まかに1,200ものサンプルが録音されたことになる。

インターフェースにはベーシック・ページとアドバンスド・ページが用意されている。ベーシック・ページではマイク位置(クローズ/プレイヤー/オーディエンス)の選択を行う。アドバンスド・ページでは、3バンドEQや優秀なコンボリューション・リバーブ(ウィーンのWiener Konzerthausで収録)、ステレオ幅の調整、弦の共鳴の調整、ペダルノイズやベロシティ・レスポンスの調整といった更に細かな設定が行える。これらの設定は、どちらのページからも保存/読み込み可能だ。

Vienna Imperialは最低でも1.5GBの空きメモリを必要とするが、ソフトペダルやリリースサンプルを省略することでメモリを節約することもできる。さらに同時発音数を制限することでCPU負荷も抑えられる。オプティマイズ機能を使用すると、楽曲中で使用されるサンプルだけを残して未使用のサンプルをメモリから開放するということも簡単に行える。

サウンド面では、Imperialは非常に印象的で、音程間の繋がり/ベロシティ間の繋がりどちらにおいても見事な一貫性を示す。これにより、ペダルを踏んで強打したのと遜色のない魅惑的なピアニッシモを再現できる。しかし、そこまでの繊細さが実現されると、演奏に使用するMIDIキーボードの限界が露呈されかねない。ここで我々は、求めるタッチを実現するためにベロシティ・レスポンス調整機能が有用だと気づいた。

Bosendorfer自体は中域にかなり厚みがあるので、内蔵EQで調整できるとしても、ヤマハ製ピアノのカリッとしたトーンやスタインウェイ製ピアノのパワー感を求めている場合には魅力的ではないかもしれない。音色については、様々な製品のデモソングを比較して確認するのがベストだろう。

(中略)Vienna Imperialはこれまで我々が試した中で最高の一貫性を備えたピアノ音源であり、購入した者を大いに楽しませるだろう。

評価
[プラス]
* 驚くほどに一貫性のあるサウンド
* 素晴らしい演奏性
* ピアノに特化した3つのルームリバーブ
* 簡単で効率的なインターフェース

[マイナス]
* 各マイク位置のサウンドを混ぜられないこと
* インターフェース上の鍵盤のベロシティが固定されていること

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Dr.CEUS
Vienna Imperialの成功の一因は、Bosendorfer社のコンピュータ制御によるグランドピアノであるCEUSシステムだ。これは非常に洗練された「プレイヤーピアノ(自動演奏ピアノ)」であり、MIDIによって楽曲を再生することができる。それだけでなく、ミュージシャンの演奏を記録し、再現することも可能。光学センサーによってハンマーや鍵盤、ペダルの動きが測定・記録され、ソレノイドによって再現される。CEUSは、2ms以下の精度で打鍵を検知し、ハンマーのタイミングを1/1000ミリ秒以下、離鍵やペダルの動きはミリ秒ごとに250段階で測定できるうえ、素晴らしいダイナミクス分解能を備えているので、Bosendorfer社は誇りをこめて「無限」と表現している。

このようなパワフルなシステムは様々な使用法が考えられるが、VSLの視点からは、通常実現できないほどのレベルで一貫性を備えた70,000ものサンプルを録音/再生/プログラムするための理想的な手段を提供するものだった。
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『SM13 SUNRISE SESSIONS』 10/10
Sample Magicがまた一つの精鋭サンプル集を引っさげて戻ってきた。彼等が手がけるタイトルとしては珍しく、Sunrise Sessionsはハイエナジーなダンスグルーブに集中したものではない。かわりにメロウでスムースなワンショットやBPM80、90、100にまとめられたループで構成された総計980のサウンドでもてなされる。先行タイトルであるSunset Sessionsが取りこぼしたものを補完すべく、ブラス、ピアノ、ベースといった様々な生楽器演奏が収録されている。どのサウンドも並外れて高度な演奏が高度に録音されている。ドラムビートは完璧なコントロールのために個々の楽器に分割されている。プレミアムなクオリティのパックだ!

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『BIG BAD BASS GUITAR』 10/10
非常に柔軟なBPM Flexシリーズの新顔Big Bad Bass Guitarは総計598種類のループから成り立っている。各ループは30曲分のキットと8種類のツールボックスキット(クロマチックなループを収録)、ミュート・ストラム、スライド・セクションに分類済み。これによって、特にフレキシブルな使用が可能となり、トラブルなく説得力のあるベース・パートを構築できるだろう。全てのループは、ソリッドでロック的なトーンの生演奏を24bitでレコーディングしたハイクオリティなもの。テンポレンジは80から160BPMまでとなっている(REXやAppleLoopsのようなタイムストレッチに強いフォーマットを使えばテンポなんて問題ではないのだけど)。

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『VITAGE R&B』 7/10
Vintage R&Bはあなたをリズム&ブルーズの黄金期に連れ戻す。明快にラベリングされた25のコンストラクションキットは、生のブラスやタンバリン、ワウワウギター、ファンキーなベースといった良質なループを収録している。これらのキットはどれも本物の雰囲気があり、ファイルは24bitフォーマットで提供されている。(略)

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