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『Vienna Instrumentsの基礎知識』

2009年10月12日 12:12 by T

かなり突然ですが、『Vienna Instrumentsの基礎知識』と題しまして、入門ライブラリとして最適な『Vienna Special Edition』を中心に、「Vienna Instrumentsとは何ぞや?」というところをご紹介したいと思います。


〜 『Vienna Special Edition』とは…? 〜

『Vienna Special Edition』とは、弦楽器〜管楽器〜打楽器までオーケストラの標準的な編成を1つのパッケージにまとめた総合音源です。『Vienna Special Edition』には以下の楽器/編成が収録されております。

こちらのPDFをご参照頂くとお分かり頂けるかと思いますが、編成のみならず標準的な奏法も収録しておりますので、『Vienna Special Edition』だけでも十分にオーケストレーションを行って頂けるかと思います。

ちなみに『Vienna Special Edition』の収録内容ですが、新たに収録されたものではなく、『Solo Strings 1』といった既存パッケージからの抜粋製品となっております。

〜 Standard(スタンダード)とExtended(エクステンデッド) 〜

VSL社のパッケージは、楽器店様などで購入可能な『スタンダード』と、シリアルコードだけの販売となる『エクステンデッド』(追加ライセンス)が用意されております。

エクステンデッドを”追加”して頂くと、Vienna Instrumetnsソフトウェア画面上に表示される奏法(アーティキュレーション)の数が増えますが、『Vienna Special Edition』に限っては楽器が追加されます(ストリングス・アンサンブルを例に挙げますと、チェンバー・ストリングスが追加されます)。

『エクステンデッド』のディスクですが、既にお持ちの方はご存知かと思いますが、ありません…。実はスタンダードのDVDの中に『エクステンデッド』のデータも入っており、『Vienna Key』にエクステンデッドのライセンスが入る事によって、ソフトウェア画面上にエクステンデッド分のデータが表示されるようになっております。

※ ユーザー様は、『デモコード』にてエクステンデッドをお試し頂けます。詳細につきましては、『Vienna Key』製品詳細ページ「◆デモモード2」をご参照下さい。

〜 Vienna Instrumentsソフトウェア 〜

全てのライブラリは、このソフトウェア上で一元管理することができます。白い箱の単体パッケージであれば、例えばスタッカートでも複数のバリエーションが用意されているので、楽曲に合うものを選択/使用することができます。また、二つのアーティキュレーションを組み合わせる事も可能です。

上の写真左側に[1A]や[AC]といったマスをご確認頂けるかと思いますが、この一つ一つのマスの中に奏法が入っております。現在は[4C]が選択されており、サスティンとスタッカートが表示されておりますが、この状態で鍵盤を弾くと、サスティン+スタッカートが発音されます。

このマスを切り替えて頂く事で、自由自在に色々な奏法を使う事ができますが、曲中では以下の方法で切り替えて頂く事が可能です。

  • キースイッチ
  • MIDI CC
  • 演奏スピード

デフォルトではキースイッチで横軸、モジュレーションホイールで縦軸を切り替える事ができます。弦楽器系の単体ライブラリに収録されているレガート・パフォーマンス系であれば、演奏スピードで切り替わるようになっています。もちろん、ユーザー様の方で自由にカスタマイズして頂く事も可能です。

動作は下記ムービーでご確認頂けます(※Vienna Special Editionではなく、Solo Strings 1パッケージの演奏です)。

このソフトウェア上では、「どうやってマスを切り替えるか」だけではなく、「マスに何の奏法を入れるか」といった事も自由自在です。逆にロードしてから不要な奏法を消す事もできます(RAMの節約につながります)。また、「これはチョット合わない」という事があれば、他の似たような奏法に変更して頂く事も可能です。

どうやってマスに奏法を入れるのか、という事は下記ムービーでご確認頂けます。


このように、VSL社の製品は、サウンドの質だけではなくエンジンもよく考えられているのですが、本記事だけでは紹介しきれない事もありますので、後日またご紹介出来ればと思いますm(_ _)m

folder Vienna, ソフト音源

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