米国のKeyboard誌に掲載されていた「ALBION ONE」(SPITFIRE AUDIO)の製品レビューをご紹介します!
Keyboard誌4月号(アメリカ)に、Spitfire Audio が誇る新世代シネマティック・オーケストラ音源「ALBION ONE」レビューが掲載されていましたのでご紹介します!(和訳)
多くのオーケストラ・サンプル・ライブラリには膨大な数のインストルメントとアーティキュレーションが収録されており、迫真迫る楽曲を作るには、辛抱強くMIDIを編集する必要があります 。一方、「Albion ONE」は果敢に違う道を歩み、コンポーザーとプロデューサーから、一切の不平も不満もないような、説得力のあるシネマティック・サウンドトラック・ミュージック制作ツールとして完成されています。
厳密に言うと、Albion ONEは全く新しい商品ということではありません。実はこのライブラリは2011年にSpitfire Audioからリリースされた、初期の頃のコレクション「Albion Volume 1」 のメジャーアップデート版です。Albion ONEは基本的な4つのカテゴリーで整理されています。「Albion Orchestra」「Darwin Percussion Ensemble」「Brunel Loops」「Stephenson’s Steam Band」です。世界的な大ヒットを記録したVolume 1の後継であるAlbion ONEは、更なる上をいくこと間違いないです。
Albion ONEのために、Spitfireは合計で109人にも及ぶ奏者で構成された大規模なオーケストラを、多くの超大作映画のスコアをレコーディングしたあの伝説的なレコーディングスタジオ「AIR STUDIOS」(Air Lyndhurst Hall) で収録しました。サンプルは先ず、2インチのアナログテープにトラックされ、それからコンピューターへ取り込まれ編集されました。ですので、アナログ特有の温かみと、スタジオホールの贅沢な空間の特性が合間って、インストルメントのサウンドは独自の荘厳な音になり、他社の多くのオーケストラライブラリとは一線を引くものに仕上がりました。単純に、このライブラリは豪華絢爛なのです。
Albion Orchestraは最初、伝統的なスコアに乗っ取ってレコーディングされました、しかしSpitfireは徐々にその形を破っていったのです。たくさんのアーティキュレーションを 個々のストリングスセクション毎に収録するのではなく、例えばオーケストラ全体をユニゾンを収録したり、音域毎:high / mid / lowのコンビネーションを収録したりするなど、オーケストラのセクション全体に注目していったのです。このように収録することによって、MIDIを使ってファーストヴァイオリンやセカンドヴァイオリン等のセクション単位をレイヤーして出す音とは打って変わって、プリセットのサウンドはよりリアルで生き生きとしたものになったのです。その結果、Albion Orchestraにはたった6個のプライマリー・プリセットが用意されました。 Brass High、 Brass Mid、 Brass Low、 Wood High、 Wood Low、Stringsです。全てのプリセットには複数のアーティキュレーションが用意されています。
もし、ハイブリットなスコア用サウンド素材やエピックパーカッションが連なっていたら、 残りの3つのカテゴリーで確実に喜ぶでしょう。他の3つのカテゴリーも新規収録され、Kontaktのスクリプトが高度に活用された洗練されたユーザーインターフェースが用意されています。例えば、Stephenson’s Steam Band (以下SSB)とBrunel Loopsは、感動的なシンセ機能のセットを装備した “electronic DNA” (eDNA) のインターフェースを採用。Albion ONEのオーケストラではないサウンドを、クールで面白いものへとカスタムすることができます。
SSBは、生のオーケストラ・サンプルを編集して制作されたシンセ・テクスチャ・サウンド集です。これらのサウンドはエレクトリックながらオーガニックなクオリティーで、多くのジャンルで使うことができるでしょう。
リズムとしては、Brunel Loopsはパーカッシブなリズムに溢れていて、推進力のある楽曲の制作にはもってこいです。壮大なリズムパートを打ち込みたい場合は、伝統的なワールドパーカッションの宝庫であるDarwin Percussion が完璧にマッチします。
Albion ONEには莫大な価値があります。美しくレコーディングされた大規模なオーケストラと、ハイブリッドなサウンドトラック用の音色。全てが色鮮やかにプロデュースされ、革新的なシンセツールとクリエイティブなエフェクトが見事に組み合わさった、本当に感動的なライブラリです。
スナップ・ジャッジメント
(良)古典的なスコアも、そして近代的なハイブリットなスコアも幅の広くカバーする一流のサウンド。圧倒的なプログラミング技術力。
(悪)伝統的なオーケストラパーカッションが欠けています。とりわけ、ティンパニ、チューブラーベル。
要点
Albion ONEは、音楽制作を始めたばかりのアーティストにとって理想的なスタートポイント でありながら、メディア向けの音楽制作をしているプロフェッショナル・コンポーザーにとってはとても直感的なライブラリでもあります。お金をかけるだけの価値が十分にあるライブラリです。
folder NEWS, SONICWIREニュース, SPITFIRE AUDIO, インタビュー/レビュー, クリプトンDTMニュース, ソフト音源
label Albion, ALBION ONE, SPITFIRE AUDIO