アレンジ終盤になっても差し替える必要の無いクオリティーを担保してくれる
BIGHEAD氏:
楽曲を制作する時に必要になってくるのが、動作の速さと音のクオリティーです。 自分のアルバム制作や、新しい実験的なデモを作る時は、じっくりと音を選び、今まで聴いた事の無い音を探す時間を確保した上で作業すのるで「速さ」は重要では無いのですが、 修正などのレスポンス速度が求められるクライアントワークでは「速さ」が最重要になってきます。
▲初代から最適化されたエンジンにより、多彩なモジュールやオシレーターが快適に動作。CPU負荷を最小限に抑えるためのオプションも搭載している。
立ち上げ時間が短く、欲しい音にすぐ辿り着けるAVANGERはNEXUSと並んでファーストチョイスになっています。 また、一度最初に決めた音色が後々気になって直したくなる。という「戻る作業」というのも時間を失ってしまう工程です。 なので音のクオリティーも高く、アレンジ終盤に音が増えてきても埋もれにくい存在感があって差し替える必要の無いクオリティーを担保してくれるAVANGERを選ぶ事が増えています。
BIGHEAD氏:
先ほどの「速さ」に繋がる話にもなるのですが、バージョン2の新機能で「プリセットをクリックすると音を試聴できる」ようになりました。 今まではプリセット名から音を想像しながら、立ち上げで一旦読み込み時間があってイメージと違ったら、また立ち上げる。という一連の作業がスキップでき音色選びが速くなりました。
Komplete Kontrolにもワンクリックで音色を確認できるという機能が追加されており、AVANGERも最新トレンドを抑えつつ 音質は往年のクラブサウンドを支えてきた歴史のある製品となっていて今回の刷新には驚いています。
▲大量のプリセットをストレスフリーに高速プレビューすることが可能。
BIGHEAD氏:
まず楽曲の核となるコードやメロディーが決まったら次はプリセットカテゴリーの「Sequences」 (下図①) でドラムの質感をおおまかに決めてしまいます。TECHNOなのか、HOUSEなのか、HIPHOPなのか、 はたまたリバイバルしてるユーロビートなのか、MIDIキーボードを指一本だけ押し続けてドラムシーケンスを鳴らしていって (下図②) 、 細かい単音は気にせず楽曲の目指す質感をプリセットを選びながら決めていきます。 その時にはAVANGER各楽器のセクションをミュートし、ドラムだけソロ (下図③) にしてビートだけ活かして使うのがコツ。
▲ブラウザの「Sequences」カテゴリから基準とするドラムプリセットを選択。プリセット選択時はドラムをソロに。
以前はKICKからワンショットのサンプルを選んで、決まったらSNARE、そのあとHIHATとドラムを組み立てていったのですが、 組み上がった後にKICKの音程とSNAREの音程がしっくりこない、コードやメロディーと合わせて聞くとKICKのディケイが長くてスピード感が失われて再調整…みたいなことがよくありました。
なのでAVANGERやNEXUSのドラムが全体的に把握できるシーケンスを鳴らして決めていった後、KICKだけ差し替えたり、ハイハットループを違うループにする (右図④) という手法の方が効率的だと感じています。
AVANGERのプリセットをガイドに作っていけば、KICKはTRANCEだけどSNAREはHIPHOPみたいな、ちぐはぐな音にはならないのでやり直しも減ると思います。
——— お気に入り、おすすめの音源はありますか?
BIGHEAD氏:
Encounters media社より販売されている拡張音源に、VPS AVENGER上で“Fairlight”を再現するアドオン「FairVenger」というHIT音源があるのですが、 そのHITの質感はAVANGERでしか出せないので、80’s 90’sのリバイバルプロジェクトでとっても重宝しています。
Encounters media「FairVenger」
BIGHEAD氏:
ここ5年の自分の作品はほとんどの楽曲でAVANGERを使っています。 バンド・ロックサウンドの曲もあるので全て!とは言えませんが、CLUB系の楽曲はどこかのトラックでAVANGERとNEXUSがあります。BASSもNEUXSと若干違ってアナログっぽい重心の低い質感を感じるのでBASSも採用率高めです。 最近札幌を拠点とするダンスボーカル&DJユニットAmbitiousに提供した「TEAM AMBTIOUS」という曲ではシンセからビートまでAVANGERを使っていて、 北海道立総合体育センターという大きなアリーナで演奏されてるのを聞いたのですが、キックの音が太く響いてAVANGERでよかったなと一安心した記憶があります。
TEAM ambitious · ambitious · BIGHEAD
BIGHEAD氏:
『AVENGER 2』の目玉として「DRUM LOOPS」というreFX社/keilwerth Audioが今まで作り貯めてきたループ素材を鳴らせる機能があるのですが、 音を聞くと自分が2006年頃買って使っていた「VENGEANCE ESSENTIAL CLUB SOUNDS」のループが見つけられて懐かしかったです。 僕がクリプトンさんの社内に直接訪れて試聴させてもらいサンプリング音源を初めて買ったのは『Mutekki Vengeance / VENGEANCE ESSENTIAL CLUB SOUNDS VOL.2』なので、 約20年たっても世界中のCLUB MUSIC PRODUCERが使い続けてる VENGEANCE = AVANGER は歴史的にも長く使える間違いない音だと身をもって言えます!
また、AVANGERを制作しているkeilwerth AudioのCEOは MUTEKI / VENGEANCE → reFX → AVENGER のサウンドデザイナーとしてDANCE MUSIC界に音源を提供してきた歴史があり、Tiësto.Axwell などと往年のCLUB MUSICを作りあげてきた歴史があります。そういった音楽の歴史も学びつつ感じて制作していくと刺激になりモチベーションも上がると思うので、ぜひ掘り下げていっていただけたら幸いです!
高校時代にギターを始め、バンド活動を通してベース、ドラム、ミックス機材などを習得。大学では美術を専攻。 音楽制作会社勤務を経てフリーコンポーザーに。CM音楽の製作、編曲、レコーディングなどを手がける。
2012年より「初音ミク」を使用したボーカロイド楽曲の制作をはじめる。2014年 『Story Rider』(エレキP名義)がLady Gagaのコンサート「Lady Gaga's artRAVE: the ARTPOP ball 」(北米16ヶ所公演)の初音ミクによるオープニングアクトで演奏された。
同年、名義をBIGHEADに改め、初音ミクの世界ツアー「HATSUNE MIKU EXPO 2014 in LA&NY」のテーマ曲 『Sharing The World』を作曲。開催地ロサンゼルスのアフターパーティーにて初のDJ出演を果たす。
同楽曲は全米放送の人気番組CBS『 Late Show With David Letterman』で放送されたほか、「将棋 電王戦 FINAL」のPV動画や「初音ミク-Project Diva -X」など世界中で使用されている。
その他、GOODSMILE RACINGのチームテーマソング、雪ミクスノースポーツライン公式テーマ曲を手掛けるなど多岐にわたる活動を行っている。
2017年以降は、DJとしてドイツ『DOKOMI 2017』、ロサンゼルス『ANIME EXPO 2017』、オースティン『Ikkikon 2018』、香港『MIKUEXPO』といった海外イベントや、『マジカルミライ』などの国内イベントに招聘され出演している。
BIGHEAD YouTubeチャンネルではAVENGER2を使用した制作TIPSも公開中!
API 2500 Bus Compressor / BIGHEAD Tips [DANCE MUSIC DRUM GLUE]
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