AIが音色を作る新機能搭載 SONIC CHARGE 『SYNPLANT 2』
出現とともに多くの好事家の注目をかっさらったSONIC CHARGE 『SYNPLANT』に、15年のときを超えて後継製品『SYNPLANT 2』が登場。ユニークすぎて「バージョンアップしようがない」と語られたソフトは、AI技術の登場によってさらにディープに進化しました。
詳しくは後述しますが、「種」から音色を育てるコンセプトは奇をてらってのものではありません。数字や文字だらけのインターフェースを排して、直感性を優先した結果のもの。パラメータを遺伝子操作になぞらえた前バージョンに加え、本バージョンでは音色を分析し作成する「Genopatch」機能が搭載されています。
最新のDAWや機材に対応し、自由度も冒険度も格段に向上した『SYNPLANT 2』は、仙人レベルのマニピュレーターが内部に住むソフトシンセサイザーとも言えるでしょう。
メイン画面中央の「種」の周囲をつつくことで枝が伸び、音色が変化します。どの枝を伸ばすかによって変化の方向性は大きく異なります。これら複数の音色は音程ごと、またはオクターブごと、レイヤーごとで鳴らすよう指定でき、いわゆるEGやフィルタなどは「DNA Editor」に潜り込めばより細かく調整可能です。
Editor内では時折これらの遺伝子同士が相互に影響しあって、予想だにしないエピックな音色を生むこともあります。
この新バージョンの真骨頂は、手持ちのオーディオファイルから2秒分を指定すれば幾つかのアプローチで音色を真似ようとしてくれる「Genopatch」機能。
世の中の音すべてを再現できるといった触れ込みで人気を博したFMシンセでも、実際には音色を作成する人間の技術が相当に必要だと、身にしみてご存知の方もいらっしゃるでしょう。「Genopatch」はそこをAIで補います。
試行を重ね最終的に激似な音色に辿り着きますが、開発者も言うように実はその手前の不可解な音色こそが面白い。この世にまだない音色に触れる楽しみをも提供してくれるわけです。
この他にも、MIDI CCの拡充、グライド、テンポ同期、マイクロチューニング、MPEへの対応(ポリフォニック・アフタータッチ)、JavaScriptサポートなど、最先端の音楽に携わるクリエイターに必要な新機能を搭載。
コンピュータの優れた処理能力と、有機的な音作りを両立する『SYNPLANT 2』。その驚異をぜひ体感してください。
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