【入門編】“歌ってみた”に必要な機材を知ろう!
「歌ってみた」というワード、ニコニコ動画でのボーカルカバー動画から始まり、近頃だとYouTubeや各種SNSでも多く見られるようになりました。アマチュアやYouTuberに限らず、プロのボーカリストが公開しているのも増えていますよね。
今では広く知られ、身近なものになってきた文化「歌ってみた」ですが、実際に始めてはみたいものの、ハードルが高く思えて始められない方が結構多くいらっしゃると思います。または、スマホで自分の歌を録音したことはあるけど、本格的に始めるにはどうすればよいか、、、という方も少なくないかもしれません。
当記事では、普段「歌い手」として活動しているスタッフによる「歌ってみた」の始め方を伝授!シリーズ企画の第一弾として、「歌ってみた」を始めるにあたって必要になる機材などをまとめました。
必要な機材
PC
まずはPCが必要不可欠です。歌の録音をするだけであれば、それなりのスペックがあれば問題ないです。
例えば学生さんが購入するような、レポートや課題をやるためのノートPCでもOK。動画を見るだけになっているPCや家の片隅でほこりをかぶっているPCがあれば、まずはそれを使って始めてみましょう。
DAW
続いての必須機材は「DAW」です。録音を行うために使用するアプリケーションです。
録音するためだけに買うのはハードル高いですよね。DAWには無料で使えるものがあったり、有料の製品の機能が使える体験版などもありますので、最初から買う必要はありません!
「歌ってみた」を投稿している方は、Steinberg「Cubase」を使用されている方が多い印象です。いずれ曲も自分で作るかも・・・という方にオススメなのは、『初音ミク NT』をはじめとする弊社バーチャルシンガー製品!各バーチャルシンガー製品にはPresonus『Studio One』のArtist版が同梱されているので、ボカロ曲を作って、そのSelf Coverも投稿するような活動もできるようになります!お得な情報として一度チェックしてみてください!
最終的には自分に合ったDAWを使っていくと思いますので、まずは色々と触ってみるのがいいでしょう!
マイク/マイクスタンド
歌を録音するためには「マイク」が必要ですよね。最初はスマホでも録れなくはないですが、使用するアプリによっては録音したファイルをスマホからPCに移すのが大変だったり、やっぱり安くても専用のマイクでとった方が音が良くなるので、初期投資として購入することをおすすめします!
ボーカル用では「ダイナミックマイク」と「コンデンサーマイク」という2種類のモデルがありますので、両者の違いをざっくりとまとめました。
ボーカルの録音に向いているのは、「コンデンサーマイク」です。繊細な音も録れるというところが、重要な息遣いなども細かく録音することができます。もちろん「ダイナミックマイク」でもボーカル録音に向いているものがありますので、録った音を実際に聴いてみるのが一番良いです。楽器屋など、試せるブースがある店舗へ行って、自分の声に合ったマイクを探してみましょう!
しばらくしてくると自分が求める好みの音質が分かってくるようになるので、最初から最高のものを探り当てようとせず、まずは手に取りやすいものから購入することをおすすめします。
それから「マイクスタンド」も必要です。特に「コンデンサーマイク」は手に持って録音すると、感度が高いことから指が動く些細な音まで拾ってしまうので、「マイクスタンド」に設置して扱う必要があります。「マイクスタンド」はK&MやTAMA製のものが良く使われています。
オーディオインターフェース
続いて「オーディオインターフェース」です。なんとなく名前を聞いたことがある人もいれば、見たことあるという方もいると思います。
簡単に説明すると「PCに音を取り込む/PCから音を出す」ための機材のことです。本格的なマイクはPCにそのまま接続することができないので、PCに「オーディオインターフェース」を、「オーディオインターフェース」にマイクを繋げて、「PCに音を取り込む」形をとります。
マイク端子がついてるPCもありますが、ノイズが乗りやすく音質も劣悪です。「オーディオインターフェース」は音声に特化した機材なので、良い音で録音できます。また「コンデンサーマイク」を使う場合は、キャノン(XLR)端子を通してマイクに電気を供給するする必要があるため、「ファンタム電源」を搭載した「オーディオインターフェース」が必須です。
近頃はUSBで接続できるマイクも出てきており、これであれば「オーディオインターフェース」を使わなくても「PCに音を取り込む」ことができます。しかし、将来より本格的なマイクが欲しくなったら、結局は「オーディオインターフェース」を買い足すことになりますので、ご注意を。
(上の写真は「オーディオインターフェース」。下の写真は「オーディオミキサー」と呼ばれるもので、PCに接続可能な「オーディオインターフェース」の機能が備わっているものもある。)
ヘッドフォン/イヤホン
この後紹介する「あったら便利」の項目に入れるか迷いましたが、「オーディオインターフェース」経由で「PCから音を出す」ものとして必須です!
YouTubeの「THE FIRST TAKE」をご覧になったことがある方や、アーティストのレコーディング風景などを見たことがある方はピンと来ると思いますが、ボーカルは基本的に「ヘッドフォン」を付けていますよね。あれは何を聴いているかというと、楽器の音やマイクを通った自分の声をモニターしているんです。「歌ってみた」の場合、オケと自分の声を上手く混ぜて聴きながら歌っています。
さらにDAWからメトロノームを再生することもできます。スピーカーからでも聞けますが、スピーカーからこれらの音を出して録音するとPCから出た音もマイクが拾ってしまうのでNGです。ひどいときはハウリング(キイイィィン!というノイズ)を起こして耳を痛めてしまいます。リズムも聴きながら歌える環境になると思うと、ヘッドフォン/イヤホン必要に感じませんか?
ヘッドフォンには「開放型」「密閉型」がありますが、「開放型」はスピーカーのように漏れ出た音がマイクに入り込んでしまう為、「密閉型」を選ぶのが重要です。楽器屋さんなどで、実際に試し聴きできるので、是非お試しください!
あったら便利・快適
ポップガード
ポップガードは、ポップノイズと呼ばれる「パピプペポ」を発声するときに発生するノイズを軽減します。
また、コンデンサーマイクを扱う際は、湿気にも注意しましょう。湿気にやられると音質が低下したり、故障の原因にも繋がるので、発音した際の呼気に混じった湿気をカバーしてくれるポップガードは「あったら安心」できるアイテムです。
リフレクションフィルター
「リフレクションフィルター」って名前からまずかっこいいですよね?!筆者はすぐ買ってしまったのですが、こんなやつです。
音を吸収してくれるスポンジが張り付いた板のようなもので、部屋の反響を吸収することにより、余計な響きを軽減するためのアイテムです。
中には下の写真のような「ISOVOX」という製品もあります。頭部全体を覆い、パーソナルレコーディングスペースを作り上げます。これだと近所迷惑にもなりづらくていいですね。
プラグイン・エフェクト
「歌ってみた」を完成させる上で必要な工程があります。ご存知「MIX」ですね。「MIX」はその名の通り「複数の音源を1つの楽曲にする」作業です。具体的には、録音された各トラック(音)の音量バランスや音色などを調整することになりますが、「歌ってみた」では基本的にボーカルとオケのトラックをMIXします。
DAWに録音したボーカルの各トラックのボリューム、ピッチの調整や、ラジオボイスをはじめとしたエフェクト加工なども行ったりしますが、そこで必要になってくるのが「プラグイン・エフェクト」です。音量を圧縮することで、音のバランスを調整させる「コンプレッサー」、周波数ごとにボリュームを調整して、音を聴こえやすくする「EQ(イコライザー)」、声に残響を加える「リバーブ」、やまびこ効果を加える「ディレイ」などをはじめ、様々なプラグイン・エフェクトと呼ばれるソフトが存在します。
自分で「MIX」しないから、という方も「MIX」を依頼する際にプラグイン・エフェクトの特性を知っていると「〇分××秒からリバーブを強くしてください」など、いわゆる「MIX師」へ自分の思い描いているサウンドに近づけられるような依頼をすることができるようになりますし、今後自分で「MIX」を行えるように勉強できるので持っていて損なしです!
SONICWIREでは、多くのプラグイン・エフェクト製品を取扱っています。カテゴリ別でご覧いただけますので、どんなものがあるのか/理想のボーカルにはどれが必要かなど、チェックしてみてください!
まとめ
「歌ってみた」を始めるために必要な機材、なんとなく分かりましたか?既に今持っているものは活用しつつ、必須だけど持ってない・・・!というものから揃えて「歌ってみた」をはじめてみましょう!
「マイク」、「オーディオインターフェース」、「ヘッドフォン/イヤホン」については、普段の生活でもいい音で音楽を聴くためだったり、ネトゲや配信、リモート会議/飲み会などにも使えますので、持っていて損はしない機材ですよ。
機材を諸々揃えることができたら、次は実際に「録音」してみましょう。次回は「“歌ってみた”の録音の良い例・悪い例」を実際の音声データを載せつつご紹介していきます。お楽しみに!
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