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【Tips】音の特定の部分を視覚的に取り出す『PEEL』登場!

2021年1月5日 18:00 by rym

高精度な音声処理を活用した耳コピ支援ツール『DECODA』やピッチ変更ツール『ELASTIQUE PITCH 2』などで有名なZPLANE社より、新製品『PEEL』が登場しました。
 

本製品は、音声を周波数帯サウンドイメージ(左右の音の配置)を視覚化することで、必要な部分のみを簡単に取り出すことのできる「スペクトラルスペーシャルアイソレーターEQ」です。
周波数が高いほど上の方に、またサウンドが左右のどの位置にパンニングされているかによって、インターフェース上の対応する位置にパーティクルを表示します。
 

使い方としては、「この部分だけを聴きたい」という範囲を囲むことで、その部分の音声だけが選択/再生されるという非常にシンプルな作りです。 また「囲った部分だけを取り除く(ミュートする)」反転機能も搭載しています。
 

既に『DECODA』をお持ちの方であればお気づきかもしれませんが、『DECODA』FOCUS機能を単体のイコライザー製品として落とし込んだものが、この『PEEL』です。

 

FOCUS機能との一番の違いは、「選択した範囲の音」と「それ以外の箇所の音」をそれぞれ別々のチャンネルへとマルチアウトできる点です。
こちらの機能は、現在下記DAWにのみ対応しています。
 

  • Ableton Live
  • FL Studio
  • Pro Tools
  • Reaper
  • Reason
1. 分離させた音源の仕上げとして

『XTRAX STEMS (1YEAR)』などの音声分離ツールで分離した音源に意図しないサウンドが入っていたり、ツールで分離しきれていない音がある場合などは、『PEEL』を使って余分な帯域を囲って取り除くことで、ゴールとなるサウンドへ一歩近づきます。
 
2. 音量バランスの調整ツールとして

例えばドラムの中でスネアの音だけが少し大きい、といった場合に本製品が活用できます。スネアの部分だけを囲み、前述のマルチアウト機能を使用してDAWの別トラックへとアウトします。
つまり「スネアだけ」「スネア以外の部分」という分類になるので、前者のトラックだけ音量を少し下げることでミックスバランスを違和感なく調整できるのです。
3. 簡易的な耳コピツールとして

『DECODA』ほどの機能は必要無いような耳コピ上級者であれば、埋もれてしまっているベースのリフが聴き取りにくい…などといった場合に本製品が非常に効果的です。
 

前述のように、『DECODA』の「特定の箇所のみをピックアップして聴く機能」であるFOCUS機能を製品化したものがこの『PEEL』ですので、各パートのコピーをより効率的にすることでしょう。
 

また既にミックスされた音源(各楽器やボーカルなど)では、何がどのようにパンニングされているかを具体的に見ることができるので、アナライザーやミックス作業の勉強ツールとしても使用できますね。トラック単体に対して使用し、適当な箇所を本製品でイコライジングするだけでも、なにか新しい発見があるかもしれません。

4. フィルタープラグインとして

本製品は、サウンドイメージ&周波数帯を選択する操作を、DAW側のオートメーション機能によって記録/自動化が可能です。
設定には少々慣れが必要ですが、オートメーションを利用することで周波数帯とL/Rの選択を組み合わせた、精密なフィルタープラグインとして利用できます!

非常にシンプルではありつつも、様々な方面で使用する機会があるプラグイン・エフェクトと言えるでしょう。
手頃でお求めやすい価格となっておりますので、是非お手元のツールに加えてみてはいかがでしょうか?

サウンドを視覚化し、必要な部分だけを直感的に取り出すフィルター!
税込価格 ¥6,391
  • メーカー:ZPLANE
  • カテゴリ:プラグイン・エフェクト