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「弾いているだけで新しいメロディーが湧いてくる」/OUTPUT社ANALOG BRASS & WINDSレビュー(田辺恵二 氏)

2018年4月4日 19:24 by Takamichi Koizumi

古内東子、ゴスペラーズ、ガーデンズ、及川光博、AKB48などJ-POPシーンでご活躍中の作曲家/編曲家/プロデューサーの田辺恵二 氏に、OUTPUT社の新作『ANALOG BRASS & WINDS』のレビューをいただきました。


(田辺恵二 氏)

気鋭の音源メーカーOUTPUTの最新作『Analog Brass & Wind』。前作の『Analog Strings』でレビューさせていただいて良い感触だったのでかなり期待大で、早速音色をロードしての感想ですが『うぉー、使える』です。

シンセでもサンプラーでも、プリセットの1番目って勝負音であるわけで、そのプリセットが良かったらもう他もいいに決まっている、とプリセットを切り替えながら聞いていきました。

単純に『Analog Strings』のBrass版と思いきや、たくさんの工夫によって大きな進化を遂げています。サンプル・ベースの音源にありがちな、サンプル・オシレーターにフィルターかけて、エフェクト足して、みたいなものではなく、どのプリセットも素晴らしく“自然でオケの中できっちり成立する音楽的なもの”なのです!!これって、わかっているメーカーじゃないと作れないな、と思うのです。サンプル・ライブラリーの役目は“オケの中でどれくらい抜けてくるか”が重要なファクターになると思うのですが、『Analog Brass & Wind』は単体で聞いても気持ちいいし、オケの中でも気持ちいい!!そしてサンプラー臭さは一つもなく、『楽器』を弾いているような感覚にさえさせてくれます。

機能的としては、4つのマクロ・パラメーターの割り当てが絶妙で、4つのスライダーをいじるだけでも楽曲の形が見えてくるほど!!

「おいおい、よく言い過ぎだろ?」と思うかもしれませんが、これが本当によくできているんです。

さらに言えば、新たにブダペストで収録されたというブラス・サンプルは生々しく、その勢いや水々しさを完全にパッケージ化されていて、そしてその音色プログラミングの絶妙さが相まって、感動すら覚える音源です。

弾いているだけで新しいメロディーがどんどん湧いてきます。

『ANALOG BRASS & WINDS』の詳細はこちら »
 


プロフィール

tanabe083

作編曲家 田辺恵二

1991年よりCHARAや古内東子のデビューアルバムに参加
及川光博やゴスペラーズのアルバム、ツアーに音楽監督、作編曲家として参加
以降SMAP 浜崎あゆみ 柴咲コウ 岡本真夜 AKB48 SKE48 に楽曲提供
2002年 2006年 日本レコード大賞金賞受賞(編曲)
現在は作家活動の他ネットTV MCやラジオパーソナリティ等
他分野にも精力的に活動中

オフィシャルブログ:http://lineblog.me/beltane33/
StudioOneをもっとよく知ろうVIDEOS:Youtube


製品情報


ANALOG BRASS & WINDS

税込価格 ¥22,874
※2018年4月4日(水)時点