SONICWIRE

作曲家/編曲家の関 美奈子 氏より、楽譜作成ソフトSibelius 専用のオーケストラ総合音源「NOTE PERFORMER」のレビューを頂きました!

2017年8月2日 16:00 by T

多数のドキュメンタリーやアニメ、ゲームの音楽制作など、幅広く活躍する作曲家/編曲家:関 美奈子 氏より、楽譜作成ソフトSibelius 専用のオーケストラ総合音源「NOTE PERFORMER 2.0 FOR SIBELIUS」のレビューを頂きました!


NotePerformer は、インストールしていくつかの簡単な設定をするだけで、Sibelius で表情豊かな音色での再生環境を実現できます。

まずインストールからですが、インストーラーをダブルクリックし指示に従いインストールした後は、特に何もしなくてもこのようにSibelius に組み込まれ起動時にNotePerformer の画面が出るようになります。

その後は簡単な設定でNotePerformer の準備は完了です。(http://sonicwire.com/product/A2380 の「その他」に設定方法が掲載されています。)

NotePerformer への切り替えや、起動時よりNotePerformer を選択する設定方法はこちら。

Sibelius の初期インストールの音源に比べ音色、強弱やアーティキュレーションなどの表現力の向上はもちろん、強弱記号が無い場所で突然大きくなったり小さくなったりや矛盾した強弱表現の再生が無くなり、リピート記号の再現不具合なども解消され、ストレスの無い再生が可能になりました。

強弱やアーティキュレーションが有る場所は当然ながら、無い場所についても棒弾きでなく、音型やパターンの音楽的文脈から類推したであろう表情が追加されて再生されるので、ぎこちない再生からは得られない新たな想像力が広がります。

NotePerformer と初期インストールの音源との比較例です。

そして、なんといっても約1GBという容量の小ささと動作の軽さです。

NotePerformer を知るまで、譜面制作ソフトウェアに音色の質と再生事情は期待しておらず、それを求めたが故に容量の大きい音色ライブラリを準備したくはない(譜面制作はどんな環境でも出来るのが望ましいので)と思っていました。ですから、NotePerformer を使い最初に思ったのは「もっと早く使えば良かった!」でした(笑)

より良い音、自然な表現を手に入れることで更なる楽曲のブラッシュアップが期待できます。


関 美奈子 氏

東京芸術大学音楽学部作曲科卒、同大学院修了。在学中より様々なメディア音楽制作、コンサートやイベント用のオーケストレーションに携わり、アニメ、映像作品などの劇伴楽曲制作へと活動の幅を広げる。

オーケストラ編成楽器をはじめとするアコースティック楽器のアレンジを得意としながら、シンセサイザーやサンプラー音源などエレクトリックなサウンドを融合させた音楽作品制作を目指している。

2014年に立ち上げた制作プロジェクト「ARKHEMINA」では中世ヨーロッパ、神話、伝説、幻想世界などの世界観をベースに楽曲を制作しており、1stアルバム「ARKHEMINA」ではヨーロッパの歴史的な建築物がテーマとなっている。

https://digital-sonic-design.jp/

【主な作品】
アニメ「キングダム」シリーズ、「銀の墓守り」「政宗ダテニクル」、ドキュメンタリー「魔法の庭 ダルメイン」シリーズ、ARKHEMINA1stアルバム「ARKHEMINA」他、10月より放送予定のアニメ「ブラッククローバー」の劇中音楽を担当。