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作曲家:浜渦正志 氏より、ピアノ音源「SESSION KEYS GRAND S/Y」のレビューを頂きました!

2016年5月2日 11:53 by T
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「サガ フロンティア2」や「ファイナルファンタジー XIII」、「レジェンドオブレガシー」、アニメ「貧乏神が!」などなど、多数の音楽を手掛ける作曲家:浜渦正志 氏より、ピアノ音源「SESSION KEYS GRAND」シリーズのレビューを頂きました!

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◆レビュー

ピアノ音源の価値はいかに本物のピアノに迫れるかにあったはずだったが、SESSION KEYS GRANDのようなアプローチは考えつかなかった。

例えばピアノをシンセの如く遊ぶ、という考え方。生のピアノでも、一定領域の鍵盤抑えてソステヌートペダルを踏みっぱなしにしてリバーブ成分のようなものを生み出したり…なんてことも可能だが、そういった遊び心はピアノ音源にはなかなか求めることがない。しかしSESSION KEYS GRANDはそんな面白さで満ちている。

リバース(逆再生)のピアノなんかはシンセ音源に収録されているものだと思っていたが、SESSION KEYS GRANDのそれはツマミを動かすだけで徐々にリバースに替わるといったアイデアである。それってフェーダーで操作する次元の話だったのか!?と笑ってしまうような…、そんな感じでピアノの可能性を色々と引き出している音源なのだ。

また実際の仕事に大きな力となってくれるであろう、Animatorという機能もある。

大袈裟に言えば自動演奏、自動作曲のそれだ。得てしてこういったものは、細かい運指やアレンジにこだわるには厳しかったりするものなのだが、シンプル且つ奥行きのある操作性によって、ピアノ曲を得意とする人にもハッとするインスピレーションを与えてくれる。もっと言ってしまえばこれで作曲しようと思わなくても、動機を簡単に得るというだけでも劇伴など制作で強い支えになるはずだ。

ちょうど次の作品に取りかかるところだったので、ちょっと活用してみたいと思っている。

浜渦 正志

(作曲家)

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1971年、ドイツ・ミュンヘン生まれ。作曲家。

東京芸術大学音楽学部声楽科卒業後、株式会社スクウェア・エニックスに入社し、「ファイナルファンタジー」シリーズ、「サガ」シリーズを始め数々のゲーム音楽を担当。多彩な和声と型破りな表現手法でゲーム音楽業界に新たな風を吹き込む。

2009年全編担当した「ファイナルファンタジーXIII」の音楽では世界的な評価を受け、サウンドトラックもオリコン初登場3位を記録。ヨーロッパ、北米各国でのオーケストラコンサートシリーズにも作曲・編曲で参加している。

2011年よりフリーランスになり、2015年株式会社MONOMUSIKを設立。ゲーム音楽の他、TVアニメ、劇場アニメ、CM音楽、オーケストラ編曲、自身がプロデュースするユニット「IMERUAT」など活動の幅を広げている。

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