初音ミクV4 TEST:開発状況レポート@2015.04.24
先日のDTMステーションのインタビュー記事内でも触れておりました、初音ミクの実験バージョンの進捗を報告させて頂きます。まだ、試験/検証中の部分が多く残されており、巡音ルカV4Xなどとの違いは捉えにくい状況でもありますが、今後進捗に合わせて報告させて頂きます。
なお、この初音ミクV4(仮)は、鏡音リンレンV4Xの先行試験の役目も担っております。鏡音リンレンV4Xでは、Append PowerをベースとしACT1への音素切り替え織り交ぜる方向性を検討をしておりますが、今は初音ミク+Appendで試験している状況です。
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■初音ミクORIGINALデータベース V3 → V4 TEST Ver(※名称未定)
【V3からの仕様変更点】
・E.V.E.C.への対応
(※Voice Colorは2~3種程度で調整予定、Voice Relaseその他については詳細検討中)
・EDITOR表記基準で、D3より低い音、C4より高い音の調整/改善
・音痩せや音抜けの悪い音素の調整/改善
・子音から子音への推移音素、[br]の音素改善など、細かい音素を大量に調整
・グロウルデータの追加
【試験項目】
・ベタ打ちの操作感をキープしつつ細かい区間部分の改善試験
・細かく連続した音素への対応性能の向上のための試験
・今までより踏み込んだトライフォンの実装/利活用の試験
・録音された声の解析データと、VOCALOIDの出力音声データの比較差分検証
・声の”きらびやかさ”のバランス調整
(※特に”ミクらしい”と思われる音素データ解析→他音素との比較調査→調整試験)
(※高音部と低音部の特性の差分検証→低音部の音抜け改善策の調整)
【修正試験・音声サンプル】
初音ミクの中音域における修正途中経過サンプルです。V3時のビフォアーサウンド→修正後のアフターサンプルの順で、『た』『に』『ふ』『れ』『こ』の5つの発音(単音の伸ばし音)が連続で再生されます。
(※今後、この様な開発中サウンドサンプルを適宜公開させて頂きます)
【UI:PiaproStudio仕様変更点】
(※現在検討中)
【今後の作業見込】
・残り1回程度の収録
・向こう2ヶ月程度の断続的な試験/調整
(※上記は開発中の経過情報であり、予告なく変更される可能性があります)
(※本試験に伴う作業以外にも鏡音リンレンV4Xの制作が進行しております)
V4Xプロダクト企画制作担当:佐々木 渉(wat)
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