「巡音ルカV4X」紹介 第3回:Voice Release種類、子音反復について
毎週更新となっております「巡音ルカ V4X」紹介の第3回目。今回も、「E.V.E.C.(Enhanced Voice Expression Control)」関連で、フレーズの終わりに吐息を付け加える「Voice Release」機能と、子音成分を繰り返すことで滑舌をコントロールできる「子音反復」についてご報告をさせて頂きます。
・Voice Release種類について
「Voice Release」は「Voice Color」の声色に合わせて2種類ずつ用意されています。ノート毎に声色を指定できる「Voice Color」の種類が増えたことに影響されて、「Voice Release」の音色数も増えた事になり、”Voice Color無し”の状態を含めた10種類のVoice Color✕2種類のVoice Release=20種類の吐息が収録されています。
※Voice Releaseの選択画面。左のVoice Colorに合わせたVoice Releaseが設定されます。
例えば、Voice Color「POWER 1」では力強い声の吐息による「Short/Long」の2種類が、「HAUSKY」では息の量が多い「Short/Long」の2種類が収録されています。フレーズの終わりに向かって、どの「Voice Color」からの「Voice Release」を選ぶかによって、フレーズの終わりの声の雰囲気(息を抜くとき雰囲気)も変わるわけです。
VOCALOIDエンジンの特性上、ステーショナリーと呼ばれる音素の影響を受ける歌唱部分の音色より、息を抜くときに一瞬現れるリリース音色の方が、生の声のニュアンスが出ます。「Voice Release」は、ある意味、ルカの声の中で最も浅川悠さんらしい声色になっているのです。
また「Voice Release」はVOCALOID4のクロスシンセシス機能とも合わさる形で、独特のサウンド調整が出来るように考えられています。こちらについては後日クロスシンセシス機能のご紹介時に、ご説明をさせて頂ければと思います。
・子音反復について
子音から子音の繋がりを収録したことによって実現した「子音反復」機能。以前の開発中のUIでは”反復する/しない”のチェックボックスのみの対応でしたが、現在は反復回数がワンクリックで設定できる仕様に変更になりました。
※子音反復の設定画面。何度も子音を繰り返すことは、稀だと思いますが、スピードの早いフレーズなどでは有効な場面があると思います。
次回は、仕様が変更になった最後の項目「データベースの数と構成」についてご紹介をさせて頂く予定です。どうぞよろしくお願い致します。
巡音ルカV4X企画制作担当:佐々木 渉(wat)
folder Virtual Singer, ソフト音源
label E.V.E.C., Piapro Studio, VOCALOID, VOCALOID4, 巡音ルカ, 巡音ルカ V4X