SONICWIRE

[お知らせ] CGMの現在と未来: 初音ミク、ニコニコ動画、ピアプロの切り拓いた世界

2010年3月2日 13:15 by ich

追記 2010/03/05

主催者側より、下記追加案内がまいりました。再び当日参加も可能となったようです。

本セッションは、事前申し込みをしていなくても、当日総合受付に来て無料聴講
が可能になりました。 当日の開場時刻は、セッション開始30分前(15:00)です。
事前申込者用と当日聴講者用の二つの入り口がありますが、当日聴講者用入り口
でお入り下さい。定員となるまで開場後に先着順でお入り頂けます(少なくとも
約200名は入場可)。(全国大会の論文発表登録者の方々が昨年秋に申し込まれた
際には、本セッションが選択できなかったため、申し訳ありませんが当日聴講者
用入り口からお願いします。)
2010年3月2日(火) 19:00までの事前申込者約500名の方々に、聴講券のPDFをメー
ルで送信しました (3月4日 19:00-20:30に、 cgmgenzaimirai [at]
m.aist.go.jp から送信)。もし手違いで届かなかった方がいらっしゃいましたら、
上記アドレスにご連絡下さい。これは、遠方からこのセッションのためにいらし
て頂ける方々に配慮し、事前申込者が確実に入場できることを保証するためのも
のです。聴講券をお持ちでなくても聴講できますので、皆様のご来場をお待ちし
ています。(この聴講券は本セッション専用で、事前申し込み直後にメールで届
いた「共通聴講参加章・講演論文集等 引換券」とは違うものです。) 


追記 2010/3/4

「CGMの現在と未来:初音ミク、ニコニコ動画、ピアプロの切り拓いた世界」に関しまして、事前のお申し込みの人数が定員オーバーとなり、当日参加が難しい状況となりました。それに伴い、本エントリーの一部を修正させていただきました。

修正前

事前予約申し込み締め切りは本日2010年3月2日(火)19:00までとなっておりますが、当日参加も許されるようです(詳細は情報処理学会様までお問い合わせいただけますようお願いいたします)。

修正後

事前予約申し込み締め切りは2010年3月2日(火)19:00までとなっております。


情報処理学会 創立50周年記念全国大会 のイベント企画「CGMの現在と未来: 初音ミク、ニコニコ動画、ピアプロの切り拓いた世界」に、弊社代表が講演&パネル討論で参加いたします。


特別セッション:
「CGMの現在と未来: 初音ミク、ニコニコ動画、ピアプロの切り拓いた世界」

2010年3月10日(水) 15:30-17:30 (東京大学 本郷キャンパス)

公式: http://www.ipsj.or.jp/10jigyo/taikai/72kai/event/43.html
補足: http://staff.aist.go.jp/m.goto/IPSJ/event20100310.htm

  • VOCALOIDの生みの親の剣持秀紀氏(ヤマハ株式会社)
  • ニコニコ動画の生みの親の戀塚昭彦氏(株式会社ドワンゴ)
  • 擬似同期型アーキテクチャとN次創作の概念の生みの親の濱野智史氏(株式会社日本技芸)
  • 弊社代表 伊藤博之(クリプトン・フューチャー・メディア株式会社)

こちらのイベントは、情報処理学会の会員でなくても、どなたでも無料で参加できるようなので、是非ご参加ください。

ご予約はこちらから >>
「大会共通聴講参加/懇親会参加/講演論文集 事前予約 申込フォーム」という黄色のボタンをクリックし、開いたページ下部の[イベント企画参加希望アンケート]>「10日午後 開催イベント」から本イベント(2番目)を選択してください。

事前予約申し込み締め切りは2010年3月2日(火)19:00までとなっております。

情報処理学会創立50周年記念(第72回)全国大会
特別セッション:
「CGMの現在と未来: 初音ミク、ニコニコ動画、ピアプロの切り拓いた世界」
3月10日 15:30-17:30
会場: 東京大学 本郷キャンパス 第2イベント会場 法文1号館25教室
イベント司会:
後藤 真孝 (産業技術総合研究所 情報技術研究部門)
講演・パネリスト:
剣持 秀紀 (ヤマハ株式会社 サウンドテクノロジー開発センター)
伊藤 博之 (クリプトン・フューチャー・メディア株式会社)
戀塚 昭彦 (株式会社ドワンゴ 研究開発本部)
濱野 智史 (株式会社日本技芸)
概要:
ヤマハ株式会社のVOCALOID技術に基づいた歌声合成ソフトウェア「初音ミク」を,
クリプトン・フューチャー・メディア株式会社が2007年8月31 日に発売して以来,
多くの人々が多様な創作活動を繰り広げ,その作品を株式会社ニワンゴ(ドワンゴ)
の運営する「ニコニコ動画」上に投稿してきた.そして,ニコニコ動画が持つ「擬
似同期型アーキテクチャ」が基盤となり,CGMサイト「ピアプロ」等によるコンテ
ンツ素材の共有も進んだことで,コンテンツの 2次,3次創作といった「N次創作」
に基づく作品が活発に生み出されている.これは,CGM (Consumer Generated
Media) の未来を切り拓く画期的な現象であり,日本は海外に対して圧倒的に優位
に立っていると言える.本セッションではこれらを背景に,VOCALOIDの生みの親の
剣持氏,ピアプロの生みの親で初音ミク販売元の伊藤氏,ニコニコ動画の生みの親
の戀塚氏,擬似同期型アーキテクチャとN次創作の概念の生みの親の濱野氏と共に,
CGMの現在と未来を議論する.
プログラム:
15:30-15:50 講演(1):歌声合成の過去・現在・未来
剣持 秀紀
最近,「初音ミク」を筆頭に歌声合成ソフトウェア Vocaloidを用いた楽曲が人気
となっている.本来Vocaloidは,歌詞と音符を入力すると歌声に変換して出力され
る単なる音楽制作用のツールであるが,それがソフトウェアとしての枠組みを超え
たムーブメントとなっているのは開発者から見ても大変興味深い.本講演では,ま
ずそもそもなぜ歌声合成が必要なのかということについて考えるとともに,過去の
歌声合成技術について簡単に紹介する.また,現状のVocaloid歌声合成システムの
内部の合成手法について説明し,最後にVocaloidを含む歌声合成技術が今後どのよ
うに進んでいくのかを議論する.
15:50-16:10 講演(2):初音ミク as an interface
伊藤 博之
「初音ミク」は,当社が2007年夏に発売した "歌を歌う" ソフトウエアである.
DTM向けのニッチな製品にも関わらず,既に5万本以上を出荷し,音楽ユーザーに
限らない多分野のクリエイターを巻き込んだムーブメントが形成されている.本講
演では,「初音ミク」をクリエイター同士(または観客同士)を結び付ける "イン
ターフェース" の視点で見たとき,そこに求められる仕様と,著作権法とのコネク
ティビティ,また「ピアプロ」を通じて皆様に提供している利用許諾システムの概
要について述べる.その上で,広くコンテンツ産業の将来のあり方について展望を
まとめる.
16:10-16:30 講演(3):運営側から見たニコニコ動画の現在と未来
戀塚 昭彦
ニコニコ動画内外の様々な現象が有機的に繋がり合って,CGMに関する良い循環が
起き続けている.例えば,初音ミクという創作に適した素材とそのキャラクター性
によって,視聴参加者が集まり,全体ランキングシステムがその「注目」を露出さ
せた.タグなどの横の繋がりと,ユーザー側の「動画紹介動画」や外部のSNSを通
した共有,「ニコニコ技術部」も良い影響を及ぼし合っている.こうした外部コミ
ュニティは重要で,私自身もtwitterや「はてなブックマーク」を通して意見・問
題を吸収し,改善したり説明をしたりと活用してきた.多数の参加者を集めて維持
することが,創作発表の場を支えるインフラとして重要である一方,創作者軽視と
誤解されないようにする悩みもある.ニコニコ動画の非同期性とニコニコ生放送の
同期性がコミュニティ形成の両輪となる点も考察したい.
16:30-16:50 講演(4):日本のネットカルチャーはどこへ向かうのか: ニコニコ動
画の「擬似同期型アーキテクチャ」と「N次創作」の先に
濱野 智史
2000 年代後半の日本のネット社会において,「ニコニコ動画」は極めて大きなCGM
としての存在感を有してきた.とはいえそれは,一般的には単なる「若者特有のサ
ブカルチャー」の域を出ないものと思われているかもしれないが,筆者の考えでは
それは異なる.ニコニコ動画は,筆者がいうところの「擬似同期型アーキテクチャ」
や「N次創作」といった点において,他国のネット文化には見られない日本特異な
「イノベーション現象」,いや「アヴァンギャルド運動」といっていいだろう.そ
れでは果たしてニコニコ動画を生み出した私たち日本社会は,2010年代に果たして
どこへ向かっていくのか/いくべきなのだろうか.本講演ではこの問題について考
察を行いたい.
16:50-17:30 パネル討論:初音ミク,ニコニコ動画,ピアプロはどのような世界
を切り拓くのか
近年,初音ミク関連以外にも,コンテンツ著作者自身がN次創作を推奨したり,マ
ッシュアップを想定してコンテンツを提供したりする事例が国内外で増えてきた.
こうした現象も視野に,4人の講演を通じて,N次創作に基づくコンテンツの生態系
ともいえる新たなCGMのあり方を見極めつつ,初音ミク,ニコニコ動画,ピアプロ
あるいはそれ以外の社会装置が今後果たしていく役割とそれらの切り拓く未来世界
を議論する.

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