[VOCALOID情報] 次期「初音ミク」について…8月版…(前編)
お世話になっております。wat@4日間だけ札幌帰省中です。
先週水曜から、今週水曜まで丁度1週間に渡って東京に滞在していたのですが、温度というより湿度の差にクラクラしますね。今回は「次期・初音ミクってなに??」という疑問に触れるためその前段の経緯をお話出来ればと思いますm(_ _)m
■次期「初音ミク」について〜藤田咲さんとの収録〜
次期「初音ミク」といいますのは、次のVOCALOIDエンジンを視野に入れ、「初音ミク」もしくは「CV01」の表現力を膨らませる為には何が出来るだろう?とい
う発想から、VOCALOID班の中で自分が企画し、他の作業スタッフ3名と共に進めているプロジェクトです。
本件の初出は、DTMマガジン5月号増刊「CV03 巡音ルカ」のインタビュー(P55)で、こちらで少しだけ波形の画像にて紹介いただいているのが、複数制作して
いるデータベースの1つ「CV01-dark-ProtoTYPEβ」です。また来週、発売されるDTMマガジン9月号では「CV01-vivid-ProtoTYPEβ」の短い音声サンプルが収録
され検証されている予定です。これらはβとあるとおり、必ずしも「このままの形で」製品に収録されるかは決定しておりません(ブラッシュアップしつつ、
ニュアンスの検証中場合によってはお蔵入り)。基本的にはエンジンの表現力限界を精査しながら、幾つかのニュアンス違いのデータを表現力向上のために役立つ様、精査しているところです。
(細かくお話すると色々な絡みがあるのですが、そこは追々お話できればと・・・)
この企画開始は今年の2月で、CV03のリリースも終わってひと段落が着いたバレンタインデー位。以降、初音ミクを録音したスタジオに、藤田咲さんに定期的にお越しいただいて進められました。
実は2007年から今まで、かなりバタバタした中で、藤田さんともゆっくりとお話したり、VOCALOIDの展開についてご説明する機会が無かったのですが、今回、改めてVOCALOID関連の今後の予定案(例えば、VOCALOID3絡みのご相談)や、今までの案件の経緯などをご説明させて頂き、少しゆったりとした時間の中で、今まで私共の不精で欠けていた中の人とのコミュニケーションが図れていると思っています。とてもよかったです。
そんな中、まずはじめに収録されたのが「CV01-dark-ProtoTYPEβ」。
「初音ミク」は、皆様にお買い上げ頂き、楽曲制作のため使用して貰って、緩やかな自分自身を獲得していった(今もそうし続けている)と思いますが、例えば一部の「調教」という言葉に代表されるような、作者の方々とのコミュニケーションのニュアンスだったり(まあコレは殆どがお約束というか、ジョークを含む記号だとは思っているのですが…)、突き詰めて考えるとVOCALOIDが「自己主張出来ない(出来ているとは考えがたい)」存在でありながら感情を持っているように「魅せている/観られている」所に思いをはせ、、、
藤田咲さんに(大きなうねりと時の流れに対する)ちっぽけな存在の”切なさ”のようなものを声の表情として表現してもらったのが「CV01-dark-ProtoTYPEβ」です。
なので、今のミクとは違う心理状態で発せられる切ない声とも取れますが、コレがイコールで初音ミクなのかと言うと少々疑問が残ります。本来と違う意味で
の裏声といった所でしょうか…
逆に「CV01-vivid-ProtoTYPEβ」は、収録の呪文や、口の開け方など、ディレクションがいつもと違う形で収録し、組み上げたデータベースです。(次回に続きます・・・)
■おまけ (丁度良い、画像的なモノが無かったので蛇足です)
「CV01-dark-ProtoTYPEβ」のインストーラの容量は製品版ミクより20MBほど大きい、509MB、現状、新しいインストーラの容量は500〜600MB程度で今後まだ大きくなりそうです。。。多分。
folder Virtual Singer
label