SONICWIRE

[DFHS特集]オリジナルのドラムキットを作成する2(全9回)

2007年1月3日 17:00 by wat

ドラムキット配列の選択

「dfh SUPERIOR」でまず取っ付きにくいと思われる点は、ドラムキットの配列が完全にオリジナルの並びになっているところです。
ドラムを打ち込む際には、GM配列のドラムキットの方が慣れているという方も多いことでしょう。
「dfh SUPERIOR」には、GM配列に準拠したキットを読み込む機能も備わっております。

「dfh SUPERIOR」を立ち上げた際の最初の画面の真ん中に、”SUPERIOR” と表記された白枠があります。このまま “CONTINUE” ボタンを押して先に進んでしまうと「dfh SUPERIOR」オリジナルの配列になってしまうのですが、この白枠をクリックしていただくと、画像1のようなプルダウン・メニューが登場いたします。

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↑画像1

ここで “GM Extended” を選択し、”CONTINUE” ボタンを押してください。
ちなみに “EZdrummer” を選択した際には「EZdrummer」のキットに準拠した配列に、”dfh” や “dfh add-on” を選択した際には大ヒットしたサンプリングCD「dfh」シリーズのキットに準拠した配列になります。


Construction Window

construction.jpg

次に登場する Construstion Window の左下の、”Tools Select” の項に注目してください。(画像2)

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↑画像2

一番上の白枠はドラムを叩く際の撥(ばち)の選択、真ん中の白枠はバスドラムを叩く際のペダル・ビーターの選択、一番下はスネアドラムのワイヤー(裏側に付いている蛇腹状の物)を使うか使わないかの選択をします。
例えば撥の選択では、通常のドラムスティックである “Drumsticks” の他に、”Rods”(ロッズ)、”Brushes”(ブラシ)、”Felt Mallets”(フェルトマレット)(画像3参照)の選択が出来るようになっています。

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↑画像3(上から順に、ロッズ、ブラシ、フェルトマレット の一例)

この “Tools Select” の項で、例えば撥に “Brushes” を選ぶと、スネア・モデルの種類の選択が大幅に減ります。
下の画像4をご覧いただくと、スネア・モデルの選択の左側に星印が付いているものが存在いたします。この星印の付いているスネア・モデルは、ブラシで叩いた際のサンプルが収録されていないモデルということです。

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↑画像4

今回はノーマルなドラムキットを組みたいので、撥は “Drumsticks” に、ペダル・ビーターは “Felt” に、スネア・ワイヤーは “On” を選択いたします。
(上記の画像2の状態です。)

ここから各ドラム・パーツを1つ1つ選択していってもいいのですが、もっと簡単に、まずはプリセットのドラムキットを読み込んでみましょう。

“Tools Select” の右上に、”Drumkit Presets” という白枠があります。そこをクリックしていただくと、ドラムキットのプリセットの選択が登場いたします。
今回は5つのタムを使える Sonor キットを選択いたします。(画像5)

005.jpg

↑画像5

「dfh SUPERIOR」は、最大で5つのタムを使用できるようになっておりますが、全てのドラムキットが5タム仕様で収録されているわけではありません。
例えばLudwig のキットは2タムのいわゆる3点セットの仕様です。Sonor 以外のメーカーのキットも読み込んでみて、タムがいくつあるのか確認してみてください。

下の画像6が、Sonor キットを読み込んだ状態です。

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↑画像6

5タムにクラッシュ・シンバルが4枚、ライド・シンバルが1枚、チャイナ・シンバルが2枚という、それなりに豪勢な仕様です。リーケージをまだ一切読み込んでいないのに、既に総容量1502MBものドラムキットになってしまっています。

このままではドラムキットを読み込むこともままならないので、”Drumkit Presets” ボタンの横にある、”16-Bit” ボタンと “TPC” ボタンをオンにします。(画像7)

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↑画像7

メモリー消費は一気に286MBまで減りました。

この “16-Bit” ボタンは、24bitで収録された各サンプルを強制的に16bitで再生させるというボタンです。

また “TPC” ボタンは、各サンプルを圧縮し、メモリーに溜め込んで再生させるというボタンです。
昨今の大容量ソフトウェア音源には、圧縮ファイルをハードディスクに置いてそれをダイレクトにストリーミング再生するタイプの物が多く存在いたしますが、この “TPC” 機能は、ストリーミングさせる場所にハードディスクを使わずメモリーを使用するというものです。
その都度サンプルを圧縮させて溜め込んでいくので、読み込むのに多少の時間を要しますが、メモリーはハードディスクよりも遥かに高速に読み出すことが可能なので、ハードディスク・ストリーミングに付きまとうプチノイズが生じづらいという特性があります。

この “16-Bit” 機能や “TPC” 機能は、オンにすると多少再生音を犠牲にするところはありますが、今はまずドラムキットを作成するための処理なのでこのまま進みましょう。

ちなみにこれらのボタンの左下にある “CACHED” ボタンは、「dfh SUPERIOR」にMIDIノートを送ると、そのノート信号に対応したサンプルをその都度読み込むというものです。こちらもメモリー節約に大いに役立ちますが、ドラムキットを組むという作業には不向きなのでオフのままにしておきます。

また各リーケージもまだオフの状態ですが、まずはキットを組みことを優先して右下の “MAIN” ボタンを押しましょう。(画像8)

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↑画像8

次は、Edit/Main Window に移ります。

folder ソフト音源

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