[メディア掲載情報]サンレコ11月号「サンプリング新次元」と、サンプラーの思ひ出
今月号のサンレコ誌による”濃厚な”サンプラー/サンプリング特集。その中で語られる、数々のテクニックは、現在進行形にして新次元として紹介されており、”応用”に至るまでの”基本”もしっかりと解説されています。まさに必読です。
サンレコ誌による久しぶりのサンプリング特集を読み、脈々と続いてきた、その時代その時代のサンプリング特集が走馬灯のように頭をよぎります・・・
記憶を辿る事、90年代初頭。現在の音楽シーンに繋がっていく、「90年代のクラブミュージック・ムーブメントの熱気(D&Bブームで爆発し、猛威を振るう流れ)〜アナログ機材の再評価(TR&TBブーム)〜ローファイの波(汚れた質感の再評価)」とリンクして、大きく取り上げられていたサンプラー関連の特集は、それはそれは斬新で鮮烈”未来がやってくるような”印象を受けました。(具体的には93年2月号の「サンプラーに再注目」以降でしょうか・・・)
今でこそ、ホスト・アプリケーションの内部に組み込まれた「プラグインとしてのソフト・サンプラー」が主流ですが、当時はハード・シーケンサー(オールインワン・シンセ) + ハード・サンプラーの基本セットに加えて、カセットMTR(程なくVS880などのHD式に変化)を使った人力リサンプリングを駆使し、コンパクト&デジタル・マルチ・エフェクターと併用したエフェクトの”掛け録り”のセンスがものを言う時代。(更に、やり過ぎると音が露骨に細くなる時代)。
とにかく、未開拓のサウンド・メイクのアイディア開発と、機材の組み合わせによるサウンドメイクが最重要な時代でした。
そんな中で、実際のスタジオで使用されていた様々なテクニック紹介、(需要の高かった)出来るだけ廉価で使えるマルチエフェクター(Boss「SE-50/70」辺りとか」)などの新作機材紹介が輝かしく並び、それらが、バランス良く一体化したサンレコ誌。それは、毎月欠かせない読み物として、自分の中に定着していった事は、昨日の出来事のように思い出せます。
・・・ついつい思い出話になってしまいましたが、今号の特集「サンプリング新次元」も、サンレコの伝統的な特集スタンス、しっかりと裏打ちされた歴史的資料、そして現代的なアイディアを優先するポップ感が、渾然一体となった、永久保存版的な特集です。
また、こういった大特集は、時を経て、その価値が増してくることも多いので、ありがたく本棚に並べさせていただきましょう。(例えば、93年11月号の特集「ビサール・エフェクト・ギャラリー」における、数々のビンテージ・エフェクターの使えるポイント/テクニック解説と、西城秀樹氏によるEVENTIDEのハーモナイザー・レビューというお宝記事は、現代のUAD-1ユーザーなどモデリング系エフェクターを駆使する方々に読まれるべき特集であるように・・・)
【参考リンク】※特集中で使用されたサンプリングCD
・GROOVE PLANET
・JAZZ QUARTET
・ORIGIN11 AFRO LATIN PRODUCER
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