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[新作情報]総合ベース音源『Abstrakt Bass』紹介〜トランス/テクノ/IDM編〜

2006年9月27日 17:30 by wat

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昨日の前編に引き続き『Abstrakt Bass』の紹介です。音楽ジャンル/スタイルでの応用も交えて、デモソングの解説をしていきたいと思います。

また、今回は〜トランス/テクノ/IDM編〜と題し、エレクトロニックで先鋭的な音楽ジャンルに適したシンセベースの解説&デモソングを順に紹介させていただく流れです。※できましたら、聴きながら読んで下さいませm(_ _)m

【デモソング&サウンド紹介】

Abstrakt Bass「Absolute killer」
このトラックで使われているのは、SONICCOUTUREが、独自にデザインした「Absolute killer」と言う名のシンセベース。インダストリアル系は勿論、トランス〜ハードハウスで使う事で、トラックの温度が急速に上昇するであろう、攻撃的な音色変化が特徴。がっちり作り込んだ、激しいオリジナル・ドラムと組み合わせて欲しいシンセベース音色です。

Dry Bass「ARP2600 SAW」
この曲は、「ARP2600 SAW」によるシンセ・ベース。カットオフとレゾナンスの操作により”渋い展開”のアシッド風ベースを作り出せます。ミニマル系を中心に応用範囲は広く、だからといって”ありがちな音”の一言では済まない”サウンド強度”を持っています。ドラムの音色をしっかりと聞かせながらスモーキーな世界観を演出してくれる逸品。また、このベースは「シンセ波形・カテゴリー(Dry Synth)」に収録されている比較的シンプルな音色。これを軸に、他のベース・サウンドとユニゾンさせるのも吉でしょう。

Drone Bass「Dingos on Dope」
これは「ドローン&エフェクト・カテゴリー」のカスタム・ベース「Dingos on Dope」(複数のKSPテクノロジーが組み込まれています)。映画音楽〜アンビエントや、壮大なエレクトロニカに適しているムードでしょうか?とにかく、”重たい水球”に包まれているような、異次元的な雰囲気と、サイケデリックな音の乱反射が想像力をかきたててくれます。こういった動的かつ物語的、更に自由度の高い音色変化は、SONICCOUTURのサウンドデザインの真骨頂と呼べるでしょう。それでいて”低音の芯”がしっかりしている点にもご注目下さい。

Drone Bass「RE-FLUX」
「RE-FLUX」は、ロングトーンで鳴らすタイプの、緩やかなスイープの効いたシンセベース(某エレクトロニカ・レーベルを彷彿とさせる名前ですね)。この手の音色変化を持つシンセベースは珍しくありませんが、”ギリギリ”とした中域のサウンド変化が現代的で、トランシーで、SONICCOUTURE的。(実はアナログ波形に、人間の声の成分が加えられています)これは、ノーマルなビートのみならずノイジーなビートを一層引き立てる”演出”をしてくれます。

Distortion & Drama Bass「DOOM’S BASS」
その名も「DOOM’S BASS」。個人的に一押しなこのサウンドは「ディストーション&ドラマ・カテゴリー」からやってきました。ムッチムチに膨らんだ低音は、アナログシンセのSAW波形を元にデザインした音色で、重低音をたっぷりと含みながらも、柔らか過ぎず、ドラムの上に”ズッシリ”のしかかります(笑)。加えて、カットオフの調整でこれだけドラマティックな音色変化をやってのける、凄いベース音。ビートを前面に配した渋めのテック・ハウス、もしくはWARPや、HARDWAX辺りのサウンドが好きなマニアに使っていただきたいです。ハイ。

Abstrakt Bass「STICKY THUMP」
この、お喋りなシンセベース「STICKY THUMP」は、SONICCOUTUREが最も得意とするFS1Rを使用し、執拗に弄くり倒して作られたカスタムベース。Squarepusher〜Animals On Wheels〜Drill’n’Bassと聞いてピンと来る方は、特に要チェック! (SONICCOUTUREのスタッフは、Drill’n’Bassフリークでしょうね)急速な上昇〜下降、ふっと消えたり、突然現れたりと、変幻自在のサウンドデザインが施されていますので、例えジャコパス的なフレーズであっても表情豊かに歌ってくれるでしょう。

Abstrakt Bass「INFINITES」
“攻殻機動隊よろしく”って感じの、バリバリにサイバーなロング・シンセ・ベース「INFINITES」。高速に刻み付けるドラムとの相性は最高で、カットオフを上げると、スパークしたような強烈な倍音成分が姿を現します。単なるベースセクションではなく、ハイ・インパクトな楽曲展開の一端を担える、デザイナーズならではのサウンドです。こうなると時間軸にまたがり、刻々と変化するD&Bや、ハード・トランスに最適でしょう。

…以上、テクノ〜トランス/エレクトロニカ系に最適な、尖がったシンセベースを、ご紹介させていただきました。

こういったテクノ系音楽ジャンルでは、シンセベースの活用法は多種多様だと思うので、実際の使用時はジャンルに関係無く、使い倒していただけるかと思います。また、カットオフや、スイープ・エンベロープを調節する事で、シンプルな音色ががらりと複雑な表情になったり、逆に、複雑な倍音を持つサウンドを、渋くモコモコにして使うことも出来るので、ミニマルテクノ系であっても、トランス系であっても使えるポイントは多いかと思います。

また、シンセベースの音色は、合計100種類以上あるのですが、よりシンプルでピュアな音色パッチも多数収録されています。なので、テクノポップ系〜エレクトロなどで使えるサウンドも勿論あります。それらは、今回取り上げた、先鋭的なベースと混ぜて、シンプルなベースにスパイスを振り掛けるような感じで”濃さ”を調節できるものポイントです。

それでは明日は、生ベース〜ダブベースをレポートします。