[特集/人気作]エレクトロニカ系・電子音/単発ドラム集
仮に、単純にエレクトロニカ系のパッチやプログラムで”単発ドラム”を制作〜量産した場合、使われたエンジンによって音色の傾向が(不本意に)似てきてしまう事も有るでしょうし、内部完結でサウンドファイルを書き出している場合は、何処か”ノッペリ”とした質感になってしまう傾向があるでしょう。
その点でサウンドデザインに熟練した方々の場合は、バスドラにビンテージ・テープディレイを短めに掛けてリリースの質感を変えたり、ビンテージサンプラー(ASR-10やSP1200)でリサンプリングしたり、一度アンプ〜スピーカー音をから出して、リボンマイクで拾ったりと「技」を駆使しています。また、強いて言えばオウテカや、ベーシックチャンネルなどレゲエ〜ヒップホップの象徴的なサウンドデザイン手法を吸収して独自の音世界を作るサウンドデザイナーこそが電子音楽の個性化に貢献しているのでは無いでしょうか?
前置きが長くなってしまいましたが、録音芸術としてのエレクトロニカなら「音ネタ=サンプリング」も重要になってきます。超低音成分を持ったキックを並べて低音の流れを作る場合も、一つのシンセ(オシレーター)から発せられる物にサンプリングのキックを混ぜてやる事で、随分奥行き(色合い)が出たりします。そんな時にとても便利なのが『POLYESTER LOOPS』、『BLISTER PAK』などのサウンド集。これらは様々な質感を持ったドラム素材がWAV形式で入っていますので、MPC2000以降で読込ます事も、REAKTORなどに元波形として組み込む事も可能です。
よく、少々ヒスノイズが混じっているサウンドの方が、フェイザーなどのモジュレーション系エフェクトの”掛かり”が良くなると言いますが、音素材も同様に”空気感”を含む音ネタが、エレクトロニカ系のプロセッシングにマッチする場合も多いです。特にエフェクト効果そのものが、曲のメインである「ダブ処理」の場合に重要です。以上のように、質感のバラエティと言った点でサンプリング・サウンドの利点は多く、ことエレクロニカでは”独自の音加工を行う場合”が多いと思われますので、音ネタの引用ではなく、単純に料理の素材として活用していただくのが良いでしょう。 |
最後に、インパルス・レスポンス・エフェクトを使えばパソコン内部でサウンドにビンテージ・アウトボードっぽい質感を付ける事が可能です。サウンドファイルに、塩コショウ感覚で「振りかける」と、新しい質感の世界が開けるかも知れません。(※位相のズレやCPU負荷を考えると波形編集で行うのがオススメです)
【単発ドラム中心、オススメ素材】
POLYESTER LOOPS
BLISTER PAK
DRUM FUNDAMENTALS
VENGEANCE ESSENTIAL HOUSE VOL.1 ※クリック・ハウスにもオススメできる超音圧極太ドラム音満載。
BREAK BEAT ※ヒップホップ・ローファイ系
BLAZIN’ RnB&HIPHOP COLLECTION VOL.1 ※ヒップホップ系、ドライブ具合が最高
DRUMDROPS IN DUB VOL.1 / WAV+REX2 ※数は多くないものの内容は極上
上から3タイトルは、エレクトロニカなら定番。『VENGEANCE』は言わずもがなの”超極太音”、『BREAKBEAT』は価格からは信じられない(値下げしました)使えるローファイドラムの宝庫。『BLAZIN’』もこの間のブログ記事の通りの一押し製品、最後の『DRUMDROPS IN DUB』はビョークやレディオヘッドを手掛けるプロデューサ(マーク”スパイク”ステント)に大絶賛された本物のレゲエ系ドラム単発音&ループが!!!
【ドラムにアドオン可能・ノイズ集】
VINYL ATTACK ※レコードノイズ300種以上
CLICK ※クリック集
iFX VOL.1 MIDGET GEMS ※クリック等 短い効果音が満載。
iFX VOL.3 GAMES ※クリック等 短い効果音、自然音が満載。
レコードノイズから、クリック、短い効果音がドラムトラック作りにおいて重要なのは言うまでも有りません。ハーバートの様な”物音リズム”に対応する音ネタも、高品質&格安で。
【おまけ(オススメIRファイル入手先)】
ビンテージ・テープディレイ&スプリング・リバーブ
ギターアンプシミュレータ
ビンテージ・ミキサー
folder サンプルパック / サンプリングCD
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