「部屋の影響」が分かるようになるSDX

TOONTRACK PRODUCT Review - Presented by SONICWIRE

4つの部屋≒4つのライブラリ

ベルリンのHansaにある4つの部屋で収録されたこのライブラリは、まさに4つのライブラリが1つになったかのような柔軟性を持っています。ドラムサンプルは楽曲のスタイルに適したものを選ぶべきですが、THE ROOMS OF HANSAであれば1つのライブラリで4通りのアンビエンスを選ぶ事ができます。

部屋の音を理解する

4つの部屋それぞれについて

  • フルミックス
  • ドラムのみ
  • ドラムのみ(アンビエンスはミュート)

を作成してみました。部屋の響きがドラムサウンドの印象にいかに大きな影響を与えるのかを感じてみて下さい。また、部屋のサイズや天井高、壁の材質が響きに与える影響を知る上でも非常に役立つと思います。

ちなみにこのデモはMARBLE ROOMのために作ったものなのでLIVE ROOMやMEISTERSAALでは楽曲の雰囲気とマッチしません。ロケーション選びが楽曲の魅力を引き出すためにいかに重要か体感して頂けると思います。

ダーティーなロックは任せろ

他のSDXシリーズと比較した時に明らかに特徴的なのがキックの図太さ、重さです。他のロック、メタル系のライブラリでは非常に硬質なキックが多い中、THE ROOM OF HANSAではずっしりとしたキックの音を聴くことが出来ます。スネアも、割と聴き慣れた感じのSM57やC451の音という印象で、弄りやすいと思います。また、金物が全体的に強烈に歪んでいるので乱暴なニュアンスや勢い、エネルギーを出すのには全く困らないと思います。メタル向けのクリーンな金物の音が必要であればTHE PROGRESSIVE FOUNDRYやMETAL FOUNDRY、DEATH & DARKNESS等選択肢が多数あるのですが、こういったダーティーなシンバルはこれまでのSDX、EZXの中でも珍しいと思います。

曲と合わないライブラリと格闘する必要は無い

Toontrackに限らず、あらゆるドラムサンプルライブラリにはそれに適した用途、それを作った意図が必ず存在し、何にでも使える万能なライブラリは存在しません。だからこそ、これまでの市場にないスタイルのライブラリが生み出されることで世界中のプロデューサーが幸せになっていくんだなあと思います。最終的に生で録った方が良いのは当たり前ですが、その補強や問題解決をする時に曲にマッチするライブラリがあるのとないのとでは安心感が違うので、保険という意味でもToontrackにはこれからも多様性を追求して欲しいと思うのでした。

青木 征洋
株式会社ViViX代表取締役/東京大学工学部卒/プロデューサー/作編曲家/ギタリスト

2008年に株式会社カプコンに入社し、「戦国BASARA」シリーズや「ロックマンXover」の音楽制作を担当。2014年に同社を退社した後は「ストリートファイターV」の作曲を担当する等ゲームコンポーザーとしてグローバルに存在をアピール。WWise-201技能検定に合格し、インタラクティブミュージック制作にも精通。2015年アーケード音楽ゲーム「CHUNITHM」への楽曲での参加を皮切りに「GITADORA」「太鼓の達人」等にも楽曲を提供し、音楽ゲームの世界においてもテクニカルギタリストとしての立ち位置を確立する。また、TVアニメ「メイドインアビス」のOP主題歌の作曲を一部担当する等ゲーム以外のフィールドでの活動も広がりをみせる。 プロデューサーとして株式会社ViViXの前身となったギタリスト専門レーベルViViXを2004年に設立。2005年にギターインストの流布を目的とした「G5 Project」を開始。4thアルバム「G5 2013」ではオリコンCDアルバムデイリーチャート8位にランクイン。また、世界中の若手ギターヒーローを集結させたプロジェクト「G.O.D.」のプロデューサーも務める。

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