SONICWIRE

Legato が非常に使い易いです

コンセプトのしっかりした、完成された音がします

Special Interview Presented by SONICWIRE

「モンスターハンター」シリーズや「この素晴らしい世界に祝福を!」など、数々の人気作品の音楽で巧みなオーケストレーションを手掛ける作編曲家 甲田 雅人 氏(DESIGN WAVE)に、Strezov Sampling社の「AFFLATUS」シリーズをレビューいただきました。

AFFLATUS CHAPTER I STRINGS

アフレイタス チャプター 1 ストリングス

自在な編成とオートディビジ/ポリフォニックレガートを備えた総合ストリングス音源

¥143,693 ¥57,369(60%OFF)

1,721pt

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AFFLATUS CHAPTER II BRASS

アフレイタス チャプター 2 ブラス

劇伴で耳にするあらゆるブラスが収録されたブラス音源の決定版

¥125,708 ¥80,748(35%OFF)

2,422pt

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各製品のサウンドを鳴らしたときの第一印象を教えてください。

まず、しっかりした華やかなサウンドだと思いました。リアルタイムでいろいろと試奏してみて、レガートが良い!とすぐに感じました。

速いフレーズにも追従性が良く、不自然にならないのが凄いですね。スタッカート系の同音連打の追従性も良く自然な感じになります。(※これは後に調べて分かったのですが、5種類までのサンプルをRR(ラウンドロビン)で鳴らしているようです。)Brassのダイナミクスも、柔らく優しい音からバリっとカッコいい音までレンジも広く、繋がりの不自然さもありません。

リアルタイムの演奏でもかなり良い感じに鳴るので、楽しくてずっと弾いてしまいました。

「AFFLATUS」シリーズには、様々なシーンを想定した個性的なパッチが収録されておりますが、実際の制作において実用的なパッチはありましたか?

どの音色もイメージが膨らむものばかりですので、着想のところで“音色から入る”という使い方もアリだなと感じました。

Stringsでは、「Avantgarde Strings Stacc.」はすぐにホラーを連想しましたし、「Indian Strings」「Middle East Strings」などはWorld系の曲ですぐにも使えると思います。「Mysterious Legato」もとても使い易い音色だと思いました。

Brassでは、Mute TrumpetにVibraphoneやSaxを重ねた「Noir Brass」がお気に入りで、ジャズ系の曲を作りたくなります。他にも「Barbarian Brass」や「Phantom Brass」はシネマティックな編成の中で主旋律を大音量で奏でるにはピッタリの音色だと思います。

「AFFLATUS」シリーズ2製品のサウンドを実際に聞いてみて、もし実際の制作で使用する場合は、どのような楽曲で使用したいと感じましたか?

シネマティックな劇伴などで使用したいと思います。コンセプトのしっかりした、完成された音がしますので、生楽器と混ぜてもアクセントになると思います。

また、このシリーズの打ち込み易さは、素早くデモを作りたいときにも重宝すると思いますので、制作に取り掛かる際にまず立ち上げる音源のひとつになると思います。

他のオーケストラ音源と組み合わせて使用する場合、お手持ちのソフト音源のなかでどの音源が候補に上がるでしょうか

普段はSpitfire Audioの『BBC SYMPHONY ORCHESTRA』を使用していますので、そこに組み入れていくような使い方でしょうか。打ち込み易さもありますので、StringsとBrassはAFFLATUSで良いかも知れません。

芯のあるサウンドですので、シネマティック系の派手なドラムやHit、ドローンなどと組み合わせても、負けずに鳴ってくれると思います。

他のデベロッパーのストリングス・ブラス音源と比べて、どういったところが「AFFLATUS」シリーズの強みだと思われますか。

まず、Legato が非常に使い易いです。フレーズの速さに合ったLegato で、音程の遷移がTempo と合っていなくてウネウネと気持ち悪い…といった感じがありません。Poly に対応しているところもとても良いです。2本以上の旋律を、ハーモニーを確認しながら作りたいときにとても便利です。

「Velocity Dynamic Influencer」の機能も良くて、例えば2本の旋律のどちらか一音だけ強くしたりすることも出来ます。これを他の音源でやろうとすると、別トラックに分けてそれぞれのダイナミクスをコントロールする必要があります。

細かくKey switch を切り替えたり、CCでダイナミクスを調整したりしなくても、ある程度イメージに近いものが出来るため、素早くスケッチするのに向いていると思います。もちろん、そこから細かく調整していけば納得のいくところまで作り込むことも出来ます。

様々なコンセプト性のある音色があるのも特徴的で、音から多くのインスピレーションを受けられると感じました。音源を立ち上げたときにいつも同じ音がするよりも、遥かに創作意欲が湧くと思います。

Strings に収録されている様々なPadも実用的で、Trailer などでのアクセントとしての使用や、またこのPadから着想を得ることも出来そうです。

Brassでは、MuteにCarbonとMetalがあるのも良いですね。

使いにくいと思ったところはありますか?

Brass の奏法切り替えに、「Sus + Crescendo」のようにノートオン中はSustainしてノートオフから一定時間Crescendo してからReleaseされるものがあるのですが、私が使いこなせていないだけかもしれませんが、少し鳴り方に違和感を覚えました。

Crescendo の長さが決まっているためTempo によってはもう少し長さが欲しかったり、逆に次の音と被ってしまったり…ということがあるので、Tempoと同期して、8分音符、4分音符、2分音符など、長さが切り換えられるようになると、より使える機能になると思います。

Strezov Sampling社の音源で他に気になる製品はありますか?

『JADE ETHNIC ORCHESTRA』『BALKAN ETHNIC ORCHESTRA』ですね。AFFLATUS シリーズの中にもオーケストラと民族楽器がミックスされた音色が幾つかあり、どれもとても想像を掻き立てる素晴らしい音色でしたので、もっと聴いてみたいと思いました。

Choir 系の音源にも個性的なものが揃っていますので、色々と揃えてみたいですね

甲田 雅人 氏 スペシャルインタビュー

甲田 雅人(DESIGN WAVE)

(作・編曲家)

国立音楽大学を卒業後、株式会社カプコンに入社。

同社を2003年に退社後、フリーランスを経てデザインウェーブ株式会社に所属している。

ゲームやアニメを中心に様々な人気作品の音楽を手掛けており、国内外に多くのファンを持つ。

主な担当作品

  • 「モンスターハンター」シリーズ
  • 「エルシャダイ」
  • 「デビルメイクライ」シリーズ
  • 「この素晴らしい世界に祝福を!」シリーズ
  • 「蒼き鋼のアルペジオ -アルス・ノヴァ-」
  • NHKスペシャル「列島誕生 ジオ・ジャパン」
  • 「ピクミンブルーム」

など多数

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