インタビュー一覧ナカシマヤスヒロ氏

ナカシマヤスヒロ氏

SPITFIRE AUDIO INTERVIEW / Presented by Crypton Future Media, INC.

フォルクスワーゲンやアストンマーティン、Googleやグリコなど国内外問わず様々なCM映像やTVドラマの音楽を手がけ、ワールドクラスの作曲家として名高いナカシマヤスヒロ氏。様々な作風の楽曲が生まれる氏のスタジオでは、SPITFIRE のほとんどが活躍しています。日々SPITFIRE 製品を愛用している氏に、サウンドの印象や使い勝手を伺ってみました。

まず、ナカシマ様の制作環境と、愛用されているSPITFIRE 製品をご紹介頂けますでしょうか?

ナカシマ氏:メインマシンはiMac Retina 5K 27inch Late2015(4GHz Core i7, 32GB RAM)です。SPITFIRE 製品 では「SPITFIRE SYMPHONIC STRINGS」とALBIONライン以外のオーケストラ系の音源はほぼすべて持っていまして、「SPITFIRE CHAMBER STRINGS」を特に愛用しています。

普段、SPITFIRE 製品をどのように使用されていますか?

各楽器のバランスやマイキングを好みに調整してあるフルオーケストラ用テンプレートを作って、ドラマ劇伴やCM音楽の作曲に使用しています。大規模な曲になると動作が重くなるので、そんな時は「VIENNA ENSEMBLE PRO」を使ってサブ機のiMacで分散処理させるような使い方もしてます。

SPITFIRE 製品のサウンドはいかがでしょうか?

とても好きです。繊細で、音が少し濡れているというか、しっとりと上品でありつつも感情豊かに表現できる楽器だと思います。他社のライブラリーにはあまり感じられない奥行き感があるので、ガツンと前に出てくるタイプではないけれど、セリフの邪魔をしないように作りたいスケジュールがタイトな劇伴制作などには心強い味方になってくれています。僕の曲について最近よく「日本人が作った曲だとは思わなかった」と言われるのですが、SPITFIRE製品の個性がそう思ってもらえる一因になっているかも知れませんね。

SPITFIRE 製品には膨大なサウンドが収録されていますが、特にお気に入りのライブラリ、パッチはありますでしょうか?

冒頭に挙げた「SPITFIRE CHAMBER STRINGS」は大好きです。他にも、激しい戦闘曲を作るときはよく「HZ01 - LONDON ENSEMBLES」を使いますし、地響きの様な低音が出せる「UNION CHAPEL ORGAN」はベースや木管の隠し味として使うこともあります。

最近ですと、どの作品でSPITFIRE 製品が活躍しましたでしょうか?

制作の時間が限られているTVCMの仕事などで大活躍しています。

それから以前、富山県にあるチューリップ四季彩館という展示施設の音楽を作らせてもらったのですが、制作していた時期がちょうどSPITFIRE 製品をまとめて買ってすぐの頃だったので、ものすごくスラスラ曲がかけたのを覚えています。元が良い音なので打ち込みで細かい調整をしなくても成立するからだと思います。結果仕事のスピードも上がりました。

その他、まだ公開されていないTVドラマの劇伴やCMなどで、そして現在着手している仕事でも多用しています。公開されたらぜひ聞いて下さいね。ぜひFacebookページやTwitterなどのフォローお願いします!

普段はご自身でミックスをされているのでしょうか?

ほとんどの場合がそうですね。規模が大きい仕事になった場合は信頼するエンジニアさんに録音から加わってもらいます。ただ、SPITFIRE 製品のサウンドは特徴が統一されていて、1本1本の音はそうでもないのに、ある程度バランスを取ってせーので鳴らすとエフェクトを特にかけなくても重厚で気品のあるアンサンブルになるので、SPITFIRE 製品のみで作っている分にはミックスはそこまで苦労はしません。問題は個性的であるがゆえに他の音源と全然混ざらないことなんです。ですのでサンプルの収録がされているであろうAir Studioの各部屋を再現したリマイキングできるリバーブエフェクトプラグインをぜひ開発して欲しいです。そうすれば他のドライな音源をすべてSPITFIRE色に合わせることができるので!

SPITFIRE 製品をミックスするコツなどあればぜひ!

基本的に全部バランスを取れば、うっすらやや長めリバーブを足すだけでそれなりによく聞こえてしまう作曲家に優しい音源なので、コツというほどのTipsではありませんが、T(Tree)マイクのみをロードしてアレンジを組み立てていきバランスを整えたあと、遠近感をA(Ambient)マイクやC(Close)マイクの抜き差しで適宜調整しています。ストリングスと金管の前後感をとるのに役立ちますし、難しいリバーブのパラメーターで作るより簡単且つリアルです。

SPITFIRE 製品を使った楽曲制作のアドバイスをぜひ!

こんなにハイクオリティーな音源はたった10年前ですら存在しなかった訳で、逆に言えば打ち込みだからこのくらいといった言い訳はもうできなくなっちゃいました。SPITFIRE 以前の音源ではより良くよりリアルに鳴らすにはかなりの工夫が必要でした。もちろんこれからも打ち込みなりの工夫は続けなければなりませんが、より現実に近い音が比較的簡単に鳴ってしまうSPITFIRE の音源をより良く鳴らすのであれば、結果として実際の生楽器の振る舞いを今まで以上により深く観察することが必要になってくると思います。現実の振る舞いと比較しながら表情を付けていけば、打ち込みでもきっと魂が宿る曲ができるんじゃないかと思っています。アドバイスというよりは僕のこれからの目標ですね。自戒を込めて。結局いい曲書くしかないということなんですね。がんばります!

ナカシマ ヤスヒロ 氏

日本在住の作曲家。
ゲーム音楽や現代音楽に影響を受け、10代からコンピューターを使った作曲を始める。
大阪芸術大学映像学科在学中より、映画・映像作品のための作曲法を師事することなく現場で独学。オリエンタルでエモーショナルな作風を得意とし、国内外問わず様々なCM映像やTVドラマの音楽制作を担当。日本にいながらにして世界を舞台に活躍を続けている。

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