映像作品などから「BGM除去」を実現する、音声分離サービスのご紹介

2021年3月11日 18:00 by fum

SONICWIREでは、映画、ラジオ、アニメーション作品など、サウンドとの関係性が深いコンテンツを対象とした、コンテンツホルダー様向け音声分離サービス、APS(オーディオ・プロセッシング・サービス)を提供しております。

以前【セリフ除去】についてご紹介しましたが、今回はMusic Removal【BGM除去】に焦点を当て、音声分離がどのように行われているのかをご紹介いたします！

■ご利用ケース

・DVD化、配信などを行う際に、許諾が取れないBGMがある

・BGMのライセンス料が高額である

・ロケ収録などで意図しない音楽が紛れてしまった

■APSで使用される先端技術

APSでは、パリとロサンジェルスを拠点とする音声分離のグローバルリーダー、Audionamix社の専門チームと連携したサービスをご提供しています。Audionamixが開発する独自の分離エンジンをベースに、音の構成について熟知した現地チームと連携したプロセスが行われる為、一般流通のソフトウェアでは到達出来ないクオリティでの音声分離を実現可能です。

それでは実際に、【BGM除去】がどのような工程で行われていくのか、発注から納品までのステップに沿ってご紹介して参ります！

■1.マスターデータの検証

初めに、ご依頼の音声素材をお送りいただきます。除去対象となるBGMの楽曲（CD等）をお持ちの際は、それらもお送りいただく事で処理精度の向上に繋がる場合がございます。ご依頼素材から、除去対象BGM、重なっている音の種類などを検証し、予測される処理精度、処理方法をクライアント様へご報告いたします。
その後、ご依頼の内容をクライアント様と調整の上、お見積りをご提案をいたします。

※映像作品に限らず、ラジオ番組や音声資料、ドラマCDなど、音声メディアの分離依頼も承っております。

■2.AIによる音声分離

処理内容が決まりましたら、【BGM除去】をおこないます。

ハリウッド映画をはじめ、多くの実績を残しているAudionamix社の分離AIが使用されます。

■3.エンジニアによるクリーンアップ

AIによる分離結果のもと、専門のエンジニアが細やかな調整を行います。
熟練された聴覚と、長年培ってきた技術によって、ベストな状態まで仕上げていきます！

クリーンアップ内容をクライアント様にてご確認いただき、気になる点等があれば調整を繰り返し行う事も可能です*。全ての処理が完了しましたら、電子データにて納品となります！

(*内容によって別途料金が発生いたします。)

■Music Removal【BGM除去】

それでは実際にBGM除去を行った短い動画をご覧ください。

Clip from “A Shot of Nectar” directed by Makena Adams

■0:00～0:16　オリジナルバージョン
分離対象となるオリジナルのシーンです。
【会話】【BGM】【効果音】が鳴っており、削除対象となるBGMは、ビートの強めなベース・ミュージックである所にも注目して下さい。

■0:17～0:33　独自AI+エンジニア手動による音声分離処理
Audionamix AIのアルゴリズムによるBGM除去を施し、専門エンジニアが細かくクリーンアップした内容です。
BGMは殆ど聞こえないレベルまで取り除かれ、その他の室内音、メイン話者の会話や周囲の小さい会話などは、原型を保った状態で残っています。

■0:34～0:52　新たなBGMへ置き換えたバージョン

BGM除去後の音声に、同ジャンルのBGMを重ねたバージョン。
除去されたBGMの気配も無く、自然な内容に仕上がっているかと思います。

■BGM除去という選択肢

映画やショーで楽曲を使用する場合、出版社やレコード会社にライセンス料を支払わなければなりませんが、古い作品の場合など、ライセンス対象が劇場版と放送版のみで、ソフト化や配信サービスの際は別途再ライセンス、となるケースがございます。これらがスムーズにクリア出来る事が一番喜ばしい形ですが、時間や費用などのコスト面、楽曲著作者の意向など、様々な理由で難航してしまう事も…。更に、BGMミックスのデータしか存在しないコンテンツの場合は、版権をクリアにしない限りは身動きが取れない状況でありました。

これまではこのようにBGMが障壁となり、プロジェクトの進行が止まってしまう事が少なくありませんでしたが、APSの音声分離が実現するBGM除去により、消音、楽曲の差し替え、というシンプルな選択が可能となりました。