tatsuo 氏

TOONTRACK SPECIAL INTERVIEW / Presented by Crypton Future Media, INC.

音楽、中でもバンド・アンサンブルによる楽曲を支える土台であるドラム。その演奏で、アンサンブルのグルーヴのみならず、他のプレイヤーやリスナーの気持ちまでもコントロールする、最も重要なファクターであるといえます。自宅でも比較的手軽に高いクオリティでギターなどの録音が可能となった昨今、コンピュータによる音楽制作を始めて最初にぶつかる難関の一つとして、ドラム・パートの制作が挙げられます。そこで今回、自身がバンド「everset」のリーダー/ギタリストとして活動する一方、「仮面ライダーオーズ/OOO」/「フォーゼ」2作連続で主題歌の作曲/編曲を担当するなど、様々な作品でアレンジャー/コンポーザーとして活躍するアーティスト。エアーバンド「ゴールデンボンバー」の中の人としても知られるtatsuo 氏に、バンド・サウンドにおけるドラムの打ち込みについてや実際に制作で使用されたTOONTRACK 社のドラム音源『EZdrummer』についてお話を伺った。(2011年11月)

ドラムは、コンピュータでの楽曲制作を始めて最初につまづくことの多いポイントの一つですが、tatsuo さんはドラムの打ち込みには苦労されたことがありますか?

ドラムの打ち込みを始めた当初はベタ打ちしか知らなかったので、グルーブ感を出すのが分らなかったですねー。フレーズなど頭では鳴ってるのに打ち込みで表現出来ない時は、ドラマーに電話して「これってどう叩いてるの?」って聞いてました。(笑)

Mike Portnoy(ex.Dream Theater)のドラム教則DVDを買ってフレーズの研究もしましたね。

tatsuo さんの、ドラム打ち込みに対するこだわりをお聞きしてもよいでしょうか?

ドラムは楽曲の土台になるので、音色選び、どんなドラマーにこの楽曲を叩かせるのか自分のイメージを明確にし、自分が気持ち良いと思えるグルーブ感、フレーズを妥協せずにマウスでチコチコとベロシティーと一緒に一音一音打ち込んでいきます。生の人間がリアルに叩けるフレーズしか打ち込みませんね。あと、リズムを聴いて身体が動かない、ノレない楽曲は人の心に届かないと思ってます。

ちなみに僕は細かくベロシティ設定していくので、ドラム打ち込みで鍵盤、PADでの入力は使いません。

◆ tatsuo 氏が制作したドラムトラックの様子。細かいベロシティの調整が確認できる。

今回、『EZdrummer』 に触れてみての感想はいかがですか?

分りやすい操作性、拡張音源の『EZX』シリーズもそれぞれジャンルが明確な音色なので、初心者には非常にオススメしたいドラム音源ですね。

初心者に必要のない機能などは簡略されているので、『EZdrummer』を立ち上げてキット音色(EZX)を選べばすぐにジャンルに合う打ち込みが出来ます。

僕は自分で打ち込んだ方が早いので普段MIDI フレーズは使用しないのですが、収録されているMIDI フレーズを使うと初心者の方は素早くドラムトラックが作れ、ドラム・フレーズの勉強にもなると思いました。

◆ 『EZdrummer』/『EZX』シリーズに収録されたMIDI フレーズを使用して、ドラッグ&ドロップでドラムパートを作成可能。

EZdrummer の拡張音源EZX『METAL HEADS』EZX『METAL MACHINE』 をお使い頂きました。 tatsuo さんが感じられた各製品のサウンド傾向など教えていただけますか?

早速、『METAL HEADS』、『METAL MACHINE』、の両方を使って音源制作をしたのですが、アタック強めで打点が見え、分りやすい音してますね。メタル/ハードロック系にももちろん合うのですが、様々なジャンルで使えると思いました。

最初に聞いた音色のイメージは、『METAL HEADS』は淳士さん(Bull zeichen88、ex.SIAM SHADE)、『METAL MACHINE』はJoey Jordison(Slipknot)って感じでしたね。打ち込んでて思わず彼らのフレーズを入れたくなりました。笑

◆ tatsuo 氏のProTools プロジェクト画面。
EZX『METAL HEADS』が使用されている。

余談ですが、『AMERICANA』も制作で使ってみた所、幅広く使える感じでした。

『EZdrummer』、『EZX』を使用してドラム・トラックの制作を行う場合のコツはありますか?

とにかく全てに置いて分りやすいので、コツなどはないですね。楽曲のイメージに近い音色のキット(EZX)を選んで打ち込めば、誰でも簡単にドラム・トラックが作れると思います。

僕はオーディオに書き出した後に、ドラムトータルでコンプを掛けてドラム・トラックを締めてます。あっ、どのドラム音源を使用しているときも言える事ですが、キックが物足りなく感じた時は別途キックのサンプルを足したりしてますね。

これまでのお話をトータルすると、『EZdrummer』は良いバンドメンバーになれそうですか?

『EZX』シリーズはキットが豊富だし、音色のジャンルも明確なので、人格がハッキリしたバンドメンバーになると思いますね。(笑)

価格帯も安いし、沢山のドラマーを家に待機させる事も可能!的な…笑

今回お使い頂いた『EZdrummer』(『METAL HEADS』/『METAL MACHINE』)のサウンドを聞くことが出来る作品はありますか?

まだ制作中なのですが、EZXシリーズの『METAL HEADS』と『METAL MACHINE』、『AMERICANA』は、来年1月にリリースするゴールデンボンバーのアルバム(「ゴールデン・アルバム」2012年1月4日リリース)で聞けます。

コンピュータを使用して楽曲制作を行なっている、あるいはこれから挑戦するギタリストの皆さんへアドバイスをお願いします。

とにかく楽曲を妥協せず作って作って、作りまくる事ですね。時間は掛かるけど「こんなもんかな?」はNGで「これだっ!」って所まで楽曲を詰める事。ライブ会場へ足を運んで生の音に触れる事も重要。いろんな体験をして、沢山の楽曲を産み出す事が音楽家としての永遠の修行だと思います。

自分が作る音楽は、自分にしか出来ない事だと自信、責任感を持って制作すると新しい発見、成長も早くなるかも?大きな夢を持ち、楽しく音楽制作やって、楽曲が人々の心に届く喜びを感じて下さい。

tatsuo 氏

1978年02月28日福岡生まれ。バンド「everset」のリーダーでありギタリスト。曲が求めるサウンドを様々なアプローチで探求し、テクニカルでラウドなリフからメロウなギターソロまで弾き倒す卓越したテクニックの持ち主。ビジュアル系エアーバンド「ゴールデンボンバー」全楽曲の編曲/レコーディング(全パート)を一手に担うほか、若手バンドの育成も行なう。近年では、「仮面ライダーオーズ」/「フォーゼ」、テレビアニメ「SKET DANCE」、漫画「ライチ☆光クラブ」など多数作品で楽曲/主題歌の作曲/編曲を手掛ける。アレンジャー/コンポーザーとしても活躍の場を広げている。

バンド「Gargoyle」ギタリストKENTARO 氏との2人組みアコースティック・ギター・インストゥルメンタル・ユニット「SIDE GOLD」の1st ミニアルバム『invasive chord』を2011年11月25日にリリース。

代表作:『紅い眼鏡』『機動警察パトレイバー』『GHOSTIN THE SHELL / 攻殻機動隊』『Avalon』『らんま1/2』『機動戦士ガンダム00』『Fate/stay night』『めざめの方舟』『東のエデン』『ウルトラマンネクサス』『科捜研の女』『仄暗い水の底から』『南極日誌』『セブンソード』『イップ・マン序章/ 葉門』『インシテミル』『梅ちゃん先生』『非公認戦隊アキバレンジャー』『クロユリ団地』『貞子3D』他多数。

tatsuo 氏公式サイト

everset 公式サイト

[INFO] tatsuo氏 関連リリース情報

everset
タイトル:「Shooting Star」(作曲/編曲)

仮面ライダーフォーゼ 公式サイト

仮面ライダー avex SOUND WEB

everset
タイトル:「ゴールデン・アルバム」(編曲/全パートREC)

ゴールデンボンバー 公式サイト

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