SONICWIRE

林ゆうき 氏

SAMPLEPACK SPECIAL INTERVIEW / Presented by Crypton Future Media, INC.

世界観を演出し、視聴者を映像の中へと引き込ませる大きな役割を担う" 劇判音楽"。主にクラブ系音楽を中心に活用されているサンプリング素材だが、ダウンロードによる購入(サンプルパック)も定着化した現在、開発するデベロッパーも続々と増え、製品ジャンルも多様化の一途を辿っている。
今回は、「絶対零度~特殊犯罪潜入捜査~」(フジテレビ)や「ラストマネー -愛の値段-」(NHKドラマ)、「DOCTORS 最強の名医」(テレビ朝日)といった人気ドラマの音楽を手がける作曲家:林ゆうき氏に、サンプリング素材を活用するメリットについてお話を伺いました。(2011年12月)

まず、林さまの音楽経歴をご紹介頂けますでしょうか?

だいぶ変わっているのですが、大学までは男子の新体操の選手をやっていました。選手はみんな、自分が踊りたい曲を探してきて使うんですけど、やっぱり既存の曲だと「ここはもう少し静かにリズムがないほうがいいな」とか思っても編集できないわけですね。その時「自分で音楽を作れたらどんなにいいだろう」と思ったのがきっかけです。

そこからサウンドトラックの制作をはじめるまでは、新体操の伴奏曲制作を6 年ほど制作していました。なので大学4年ぐらいが僕の音楽経歴の始まりです。小さい頃は特に何も習っていませんでしたし、小学生の頃はたて笛が大っ嫌いで、よく放課後まで残されてました(笑)

制作環境を教えて頂けますでしょうか?

Windows7 の64bitマシンを2台使って作業しています。DAWはSONAR。オーディオインターフェースはMOTU の896HD。モニタースピーカーはGENELECの8040AとYAMAHAのMSP-10。キーボードはKURZWEIL のMIDIBOARD を使っています。

積極的にサンプリング素材を活用されておりますが、サンプリングCD /サンプルパックを購入される際の判断材料を教えて頂けますでしょうか?

1.音質、2.音像、3.収録内容が使いやすく分類されているか・・・ですかね? 3.が実は結構大事だったりします。サントラのように短期間で何曲も作っていると、音色選びやサンプル探しで時間と体力を取られたりするので、直感的に使えるようになっている製品を出しているサンプリング・デベロッパーなどはやはりよくチェックしています。

あ、でもセール中だったりすると色々衝動買いしますよ(笑)

同様に、ソフトウェア音源を購入される際の判断基準を教えて頂けますでしょうか?

これもやはり同じ判断基準ですね。人に良いと勧められたソフトでも、自分には合わないと感じるものや効率的ではないものはやっぱり自然と使わなくなっていきますね。

よく使われるサンプリング素材と、それを使う利点を教えて頂けますでしょうか?

SAMPLE MAGIC のラインナップは好きです。ビートが効いた楽曲などには積極的に取り入れてます。 BIG FISH AUDIO は、サントラ作家としてはマニアックなジャンルのサンプリング素材を出してくれるので良くお世話になってます。1 つのサンプルの上にどんどん音を重ねていって曲を作ることが多いので、こちらの想像力を導き出す要素が多い素材はよく使いますね。

具体的にどんな素材が?といわれると答えづらいのですが、「鳴らした時に他の音が頭に降ってくる」素材が良い素材かと思います。

ストリングスやピアノといった生のサウンドと、サンプリング素材/ソフトウェア音源を組み合わせる場合に注意されていることなどはありますか?

セオリーは特にないです。その時のひらめきを大事にして、ベストと思える方向に作って行きます。ただ、重要なのは最終的に自分が作りたいイメージからどれだけブレないかだと思います。僕がやっている映像音楽であれば、作品の世界観、台本、キャストなどから作り出した全体のイメージに合わせて、各曲のバランスを取りながら、生録音やサンプリング素材、ソフトウェア音源もそれぞれ音像を寄せていきます。

作曲される方/作曲家を志す方へのアドバイスをお願い致します。

修行中の僕なんぞが偉そうにいえることは何もないのですが、作曲が上手くても、どんなにソフトを使いこなせても、結局は行動力が一番だと思います。人見知りしてもいい事ないので、どんどんデモを送って、どんどんいろんな人にコンタクトとって会いに行ったらいいと思います。僕もそうしました。

今後の活動の予定、展望についてお聞かせください。

ドラマのサントラもまだまだ未熟ですが、今後は自分が音楽の面白さに気づいた原点である映画、ダンスなどの映像にシンクロさせた音楽をもっと作っていけたらと思っております。

林ゆうき 氏

1980 年生まれ / 京都府出身。

高校生の時に男子新体操に出会い、踊るための音楽を選曲しているうち に伴奏音楽の世界に傾倒していく。演技者として大学に進学…音楽経験はなかったが、独自の音楽性を求め 大学在学中に独学で作曲活動を始める。

卒業後にHideo Kobayashi にトラックメイキングの基礎を学び、 本格的に伴奏音楽制作者に。2008 年末、ドラマ「トライアングル」の音楽制作に関わり、以後サウンドトラックを中心に活動する。

■ http://www.legendoor.com/

■ http://ameblo.jp/hayayu1231/

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