SONICWIRE

Shinnosuke氏 (SOUL'd OUT)

PRODUCT SPECIAL INTERVIEW / Presented by Crypton Future Media, INC.

2010年、約3年の沈黙を破り衝撃の復活を果たしたSOUL'd OUT。ブラックミュージックをバックボーンに、ラップとリズムが何層にも折り重なるサウンドは、聴衆の心を踊らせる。今回は、同グループのメンバーでありサウンドの要であるトラックメイカーの"Shinnosuke"氏にソフトウェア音源、サンプリングCDの活用や復活後初リリースとなる新曲「and 7」について伺った。(2011年4月)

復活後の初シングルの情報など前々から拝見していました。楽曲の制作はメンバー全員で行われているのですか。

曲にもよりますけど、今回「and 7」はDiggyがリーダーヘッドをとって作りました。作曲をしながらもアレンジの構想があったようで、「こんな感じの音はない?」などど聞かれたり、逆に「こんなコードはどう?」と提案したりという感じで。アレンジは"共同作業"で行っています。

「and 7」は、どのようなコンセプトで制作されたのでしょうか。

表面的なサウンドの最先端をみせるっていうことではなくて、僕らの今のフィーリングだったり、アティテュード(態度/姿勢)を反映したものにしたいというのがあって、休止(約 3年)前のSOUL'd OUTの音像も当然大事なんだけど、それを通過した今の好みだったりそういうものを反映したい…みたいな。現在進行形というのを見せたいので、そういう意味では僕等の中での最先端なのかもしれませんけどね。

理由も無くガラッと変わってもいけないし…まあ難しいところで、色々悩み、考え、色々試しながら自然とたどり着いたところというのが今回の(シングル「and 7」)だったんです。第一印象というよりは何度もコミュニケーションした後にでき上がったもので、生きたグルーヴ、アコースティックなサウンドを目指すようにしました。

カップリングのほうは、現代っぽいアーバンな感じにしたいっていうのがあったんで、リリースの短いドラムサウンドでまさにそれというサウンドを作りました。

「and 7」では弊社取扱のピアノ音源をお使いいただいていると聞きました。

はい、「and 7」のピアノは『Galaxy II / KP4』です。コンプのかかった感じとか、プリセット音もたくさん入っているのがとっても便利で。純粋に音が綺麗で繊細ですよね。まあ、新曲に限らず最終的に活かせる音源の一つとして重宝していますネ。

エレピはハードシンセの音源で、ホーンセクションはソフト音源のサウンドに生音を重ねています。ホーンは何といってもシーケンスを書くのが大変で。例えば LASS(LA SCORING STRINGS)なんかだと、細かい奏法とかアルペジオっぽいサウンドも簡単に再現できるからすごく作業が楽なんですよね。LASSのホーンバージョンがあったら最高なんだけど…そこまで甘えちゃうと良くないですけどね(笑)

EZdrummerもお持ちだと伺いましたが、完パケ音源に使用されることはありますか。

よくプリプロやデモ音源用なんて聞くけど、完パケ音源として使うことも結構あります。僕は完パケで生ドラムに差し替えるのが好きなんですけど。デモでEZdrummerを使って、仕上げていく段階で変えようとするとメンバーから「元(EZdrummer)に戻して」って言われますからね(笑)なので、生ドラムを録っても結局ゴースト程度にしか使わなかったりするんですよ。僕らのサウンドは、ラップとリズムセクション、グルーヴ感を重視しているので、最初の状態からかけ離れた完成形はありえなくて。デモから完パケまで通して使える音源というのがいいんです。好みだとは思いますけど、全然イケます。

音源以外に、サンプリングCDのサウンド素材を楽曲に使用されることはありますか。

最終的には差し替えるんだけど、ギターサウンドはデモ音源の段階でよく使いますね。展開させる時はピッチ修正ソフトで半音あげたりテンポをガンガンかえたりして(笑)

特にClassic RockっていうサンプリングCDはすっごく良くて。こういうサウンド、作ろうと思って簡単にできるものじゃないと思うんですよ。"きっとヴィンテージの卓を通したりして凝って作ってるんだろうなー"なんて想像したりしながら、使っています。

あと、テンポとかはデモの段階だとあまり気にしないで伸ばしたり縮めたりします。伸ばしすぎて荒れたクラッシュ気味のサウンドが逆に良かったりすることもあるんで(笑)

最後に、「and 7」に込められた思いとは。

タイトルはDiggyが決めたんですが。

彼の言葉によると、セブンはラッキー7にかけたもの。かといって運だけに頼ってるだけじゃなくて、やりきって、やりきったらあとはどうだっていいじゃん、と。あとはどう転んでもそれが自分の人生だから。結果よりもそこに至る過程が重要なんじゃないか?ということなんです。

Demosong Playlist
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