インタビュー一覧川井 憲次 氏

川井 憲次 氏

CINEMATIC PRODUCT INTERVIEW / Presented by Crypton Future Media, INC.

第一線のクリエイターの手によって制作された数多くのハイクオリティなサウンド素材を収録したサンプリングCD。主にクラブ・ミュージックを中心に活用されているサンプリングCD だが、ダウンロードによる購入(サンプルパック)も定着化した現在、開発するディベロッパーも続々と増え、製品ジャンルも多様化の一途を辿っている。今回は、全世界から映像化を熱望されたカリスマ漫画がついに実写映画化を果たし、日本中を興奮の渦に巻き込んだ映画『GANTZ』、『GANTZ PERFECT ANSWER』(原作:奥浩哉「GANTZ」/監督:佐藤信介/主演:二宮和也、松山ケンイチ)のサウンドトラックを担当した作曲家 川井憲次 氏に、サンプリングCD を使用した映画音楽の制作をメインにお話を伺った。(2011年5月)

楽曲制作にサンプリング素材はどの程度使用されていますか?

川井氏:以前は自分で作ったりしていましたが、ここ数年は良い素材が売られているので、けっこう使うようになりました。

どういったときにサンプリング素材を使用されるのでしょうか?

主にリズムパートを作るときに使うことが多いです。あと、ちょっと変わった音が欲しいときにも使います。

サンプリング素材を使用する利点はどういった点にあると思われますか?

自分では考えつかない音も多く、それによってインスパイアされるのが利点と思います。

川井様が「使いやすい」と思われるサンプリング素材はどういったものですか?

例えばループものでしたら、ノイズが少なくて、リズムの正確なものです。あと、あまり極端な音の強弱のないものですね。

劇伴の制作にサンプリング素材を使用される際、気をつけている点などはありますか?

いくらカッコよくても、劇伴では使えない音ってあるんです。やはり映像があっての音楽ですから、観客の注意が音にいってしまわないようにしなくてはいけないと思うんです。

ですから、あまり過激な音は使わないように気をつけています・・・まあ使っていますが(笑)。

楽曲の中でストリングスやブラスなど、生のサウンドとサンプリング素材を組み合わせる場合に、注意されていることなどはありますか?

それは特にありません。よほど周波数的にバッティングする場合は別ですが、音の位置関係が違うからです。

劇伴を担当された映画『GANTZ』、『GANTZ PERFECT ANSWER』の楽曲で、お使いになったサンプリングCD やソフトウェア音源があれば教えて頂けますか?

クリプトンさんのでは『STRATOS DRONES & ATMOSPHERES』『FX PEARLS VOL.2』『ALIEN SKIES - CINEMATIC AMBIENCES 2』『PHANTOM FILES』等を使用しましたが、それ以外に、Mach Five とかMOTU 製品のいくつかの音と組み合わせてリズムを作っていきました。

ソフトウェアは、ピアノ音源の『VIENNA IMPERIAL』と、同じくVIENNAのティンパニ(『VI PERCUSSION / STANDARD』)を使いました。VIENNAのライブラリはどの音も素晴らしいのですが、特に『VIENNA IMPERIAL』は本当に自分の好みの音がします。更に、今になってから新しい使い方を発見してしまい、一人で盛り上がっているところなんですよ。

それらの製品のどういった点が今回の『GANTZ』という作品とマッチされたのでしょうか?

GANTZ独特のちょっと変な世界観を表現するのにとても重宝しました。普通のオケだけではできなかったと思います。

例えばキックの音に特徴を出したかったので、『FX PEARLS VOL.2』を使ったり、"星人(『GANTZ』に登場する人間以上の身体能力を持つ正体不明の生物)"の雰囲気を出すために『ALIEN SKIES』の音を使ったりしました。タイトルが"ALIEN"だったもんで、つい・・・(笑)。

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この2作品のサウンドトラック制作を行なう上で、意識された点/気をつけられた点などはありますか?

僕は"GANTZビート"と呼んでいたんですけど、映像のテンポ感にシンクロできて、しかもノれるリズムが重要と思っていました。これはある意味生のオケと真逆の立場にある音なんですけど、それらのビートと生オケをいかに融合するか、ということに気をつけてました。

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最後に、今後のご予定についてお聞かせください。

今度はアニメーションで、『トワノクオン』(2011年6月18日より全国5都市にて公開)という作品をやります・・・ていうか今やってます。あと、また海外の作品をちょっとやってます。

川井憲次 氏

1957 年4 月23 日東京生まれ。在籍していたバンドがコンテストで優勝するのを期に、ギタリストとして活躍。その頃から自宅録音に興味を覚え、舞台やCM 音楽などを手がける。作品『紅い眼鏡』の音楽を担当し、劇伴作曲家としての活動をスタートする。2007 年には、パシフィコ横浜国立大ホールにて単独コンサート~ CinemaSymphony~ を成功させる。作品世界を際立てる洗練されたアレンジと、儚くも美しい旋律に代表される音世界は多くのフォロワーを産み、高い評価を得ている。最新作は、『鼠、江戸を疾る』、『THE NEXT GENERATION -PATLABOR-』など。

2005 年、AMD Award Digital Contents of the year 「Bestprofile Music Composer 賞」受賞(『イノセンス』)

2008 年、第41 回シッチェス・カタロニア国際映画祭「最優秀映画音楽賞」受賞(『スカイ・クロラTheSky Crawlers』)

代表作:『紅い眼鏡』『機動警察パトレイバー』『GHOSTIN THE SHELL / 攻殻機動隊』『Avalon』『らんま1/2』『機動戦士ガンダム00』『Fate/stay night』『めざめの方舟』『東のエデン』『ウルトラマンネクサス』『科捜研の女』『仄暗い水の底から』『南極日誌』『セブンソード』『イップ・マン序章/ 葉門』『インシテミル』『梅ちゃん先生』『非公認戦隊アキバレンジャー』『クロユリ団地』『貞子3D』他多数。

川井憲次 氏オフィシャルサイト

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